転職で後悔する人の割合は?不満が多い項目と、動く前の確かめ方
先に結論
転職した20代後半・30代前半のうち、転職先の職業生活全体に不満な人は1割前後です。ただ、賃金に限ると4人に1人ほどが不満なので、動く前に次の会社の賃金を内訳まで確かめましょう。
この記事の目次
今の会社を辞めたい気持ちはある。でも、転職した先が今より悪かったらどうしよう。「転職して後悔した」という話を読むたびに、動く気持ちがしぼんでいく。
あなたが動いて失うものを先に考えてしまうのは、今の職場で暮らしが回っているからです。慎重になるのは、自然なことです。
この記事では、転職した人が新しい職場のどこに不満を持っているかを国の調査で見たうえで、動く前に確かめることをまとめます。
転職先の職業生活全体に不満な人は、1割前後いる
厚生労働省が2026年9月25日に公表した調査では、2024年10月から2025年9月までにフルタイムで転職した人に、2025年10月から12月にかけて、転職先への満足度を聞いています。「職業生活全体」についての答えは、次のとおりでした(正社員以外で働く人も含みます)※1。
| 職業生活全体の満足度 | 25〜29歳 | 30〜34歳 |
|---|---|---|
| 満足・やや満足 | 58.8% | 61.9% |
| どちらでもない | 33.6% | 27.5% |
| 不満・やや不満 | 7.5% | 10.4% |
転職先の職業生活全体に不満な人は、30〜34歳でおよそ10人に1人、25〜29歳ではそれより少なくなっています。満足している人は、どちらの年代でも6割前後です。
なお、年齢を分けずに見ると、職業生活全体に不満な人は、転職した人全体で10.7%、正社員に限ると12.3%で、正社員のほうが少し高くなります※2。
ただし、この調査が聞いているのは「後悔したか」ではなく「満足しているか」です。また、答えは入社して1年ほどのうちに聞いたもので、入社したあと調査までに辞めた人は、数字に入っていません。後悔した人の割合そのものではなく、実際より少なめに出ている可能性がある数字として読んでください。
転職して後悔した人の割合を調べると、記事ごとに違う数字が出てきます。元にした調査の聞き方が「後悔したか」「前の会社のほうがよかったか」などと違い、数字が大きく変わるためです。
転職後の不満は賃金に集まり、20代後半は仕事内容の不満が少ない
同じ調査では、賃金や労働時間など10の項目ごとにも満足度を聞いています。不満の割合がいちばん高い項目は、25〜29歳でも30〜34歳でも賃金でした。25〜29歳の主な結果を並べると、次のとおりです※1。
25〜29歳で賃金に不満な人は、職業生活全体に不満な人の3倍を超えます。30〜34歳でも、賃金に不満な人は23.4%でした。職業生活全体に不満な人は少なくても、賃金に限ると、およそ4人に1人が不満を持っているということです。
仕事内容は、賃金と違う結果になっています。前の会社を自分の都合で辞めた25〜29歳に、辞めた理由を3つまで聞くと、1位は仕事内容への不満で30.1%、2位は賃金の低さで29.5%でした※3。
この30.1%は、自分の都合で辞めた人の中での割合です。25〜29歳の転職者のうち自分の都合で辞めた人は89.4%なので、転職者全体にそろえると、仕事内容を理由に辞めた人はおよそ27%になります(編集部の計算)※4。一方、転職先で仕事内容に不満と答えた25〜29歳は7.7%です。
同じ人の変化を追った数字ではありません。それでも、仕事内容を理由に辞めた人の多くは、転職先では仕事内容に不満と答えていない、と読めます。賃金は、転職後の不満ではいちばん多い項目です。
後悔を防ぐために、動く前に最初に確かめたいのは賃金です。
不満が多い項目を、動く前に確かめる表
ハラスメントや給与の未払いがあるときは、この表で比べるより先に、社内外の相談窓口に相談してください。
次の表は、25〜29歳と30〜34歳の両方で、転職後に不満な人が1割を超えた5つの項目です。25〜29歳で不満が多い順に並べました。かっこ内は、転職後に不満な人の割合(25〜29歳/30〜34歳)です※1。
| 項目 | 動く前に確かめること | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 賃金(25.3%/23.4%) | 毎月の基本給、固定残業代が何時間分か、賞与が約束の額か見込みの額か | 求人票と、内定のときに受け取る労働条件の書面。今の給与も同じ内訳に分けて並べる |
| 労働時間・休日・休暇(18.1%/13.0%) | 配属予定の部署の、1人あたりの月の残業時間と、年間の休日の数 | 面接や内定後に「月に何時間くらいですか」と、数字で答えてもらえる聞き方で聞く |
| 福利厚生(12.3%/10.2%) | 住宅手当や退職金など、今の会社にあって次の会社にないもの | 今の会社の給与明細と就業規則で、今受けているものを先に書き出す。次の会社の分は求人票の待遇の欄で確かめ、書かれていなければ質問する |
| 通勤の便(12.0%/14.9%) | 自宅から職場までの時間、配属先で在宅勤務を使えるか、転勤があるか | 通勤の時間帯に一度移動してみる。労働条件の書面の「就業場所の変更の範囲」を読む |
| 会社の将来性(11.3%/18.3%) | 売上や利益が伸びているか。配属先の部署が、これから何に力を入れるか | 上場企業なら決算の資料を見る。面接で「この部署は、これから何に力を入れていく予定ですか」と聞く |
1枚のメモを用意し、表の項目ごとに、今の会社の状態と、次の会社で確かめた状態を並べて書いてください。次の会社の欄には、書面や数字で確かめたことだけを書き、分からない項目は空けておきましょう。
賃金の欄が空いたままなら、内定の承諾を急がないでください。
先に今の会社で確かめたほうがいい人
転職した人の不満が多い上位2つの項目(20代後半は賃金と労働時間、30代前半は賃金と会社の将来性)に、今の会社で大きな不満がなければ、転職する前に、辞めたい理由を今の会社の中で解消する方法を探してください。
辞めたい理由が上司や仕事内容なら、先に異動や担当替えで解消できないかを確かめてください。表の項目を並べてみて、あなたが一番大事にしたい項目で今の会社のほうが良いなら、今の会社に残ることも1つの判断です。
想定の例で考える
以下は、賃金の確かめ方を見せるための想定の例です。
例:30歳・経理。辞めたい理由は賃金。内定が出た会社の提示年収は、今より50万円高かった。 内訳を聞くと、年収には賞与の見込み額と、月30時間分の固定残業代が含まれていた。毎月の基本給は、今とほぼ同じだった。 → この人は、転職した後の不満がいちばん多い賃金を理由に動こうとしています。この人は、賞与の昨年度の支給実績と、固定残業代の時間を超えた分が別に払われるかを書面で確かめるまで、承諾の返事をしません。確かめた結果、毎月受け取る額が今と変わらないなら、今の会社で次の昇給の条件を聞いてから決め直します。
次の一歩は、今の会社を5つの項目で書き出すこと
今週のうちに、表の5つの項目について、今の会社の状態を1行ずつメモに書いてください。賃金は、給与明細を見ながら、基本給・残業代・手当・賞与に分けて書きましょう。
辞めたい理由そのものがまだ整理できていないときは、辞めたい理由を5つの軸で整理する方法で、社内で解決できる不満かどうかを先に見分けてください。
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