お問い合わせXでフォロー
転職の基本

会社を辞めたい理由を5つの軸で整理

社内で解決できるか、転職が早いか

2026年版公開 2026.09.23転職指南 編集部

先に結論

辞めたい理由を年収・通勤・裁量・上司・成長の5つの軸に分け、軸ごとに「社内で解決できる不満」か「転職したほうが早い不満」かを、今の会社の状況をもとに見分けましょう。

無料・5分あなたの不満、社内で解決できる? 転職するなら何を確かめる?判断シートを試す →
この記事の目次
  1. 転職を考える理由は、人によって分かれている
  2. 不満を5つの軸に分けると、社内で解決できるものが見えてくる
  3. 仕分けを始める前に、確かめてほしいこと
  4. 5つの軸の仕分け表で、今の会社を見る
  5. 軸ごとに、自分に聞く質問
  6. 仕分けの結果から、次の一歩を決める
  7. 3つの場面で考える(例)
  8. まずは今週、紙1枚で仕分ける

「会社を辞めたい」と思う日が増えたのに、理由を聞かれるとうまく答えられない。給料が低い気もするし、上司とも合わない。朝の満員電車もつらく、同じ仕事ばかりで先も見えない。

考えるたびに一番の理由が入れ替わり、自分でも何が一番嫌なのか分からなくなる。

辞めると決めきれないのは、あなたの意志が弱いからではありません。いくつもの不満が絡まって、1つの「辞めたい」になっているからです。

不満が絡まったままだと、どれか1つが少し良くなっても、すぐに別の不満が気になります。辞めるか残るかを考えても、同じところをぐるぐる回ってしまいます。

この記事では、不満を5つの軸に振り分ける仕分け表と、軸ごとに自分に聞く質問、仕分けの結果から次の一歩を決める方法をまとめます。

転職を考える理由は、人によって分かれている

転職した人に「転職活動を始めた理由」を聞いた調査では、上位5つは次のとおりでした(出典:マイナビ「転職動向調査2026年版」2025年実績、複数回答)。

  • 1位 給与が低い:23.2%
  • 2位 仕事内容への不満:21.0%
  • 3位 職場の人間関係:20.0%
  • 4位 会社の将来性への不安:18.3%
  • 5位 昇進や昇給が見込めない:15.4%

上位5つの割合は15.4〜23.2%で、1つの理由だけが飛び抜けてはいません。転職を考える理由は、人によって分かれています。

あなたの辞めたい理由が給与でも、仕事内容でも、人間関係でも、それは多くの人が挙げている理由の1つです。

言葉にしにくい不満もあります。2025年に転職した正社員の52.6%が、前の会社で「自分のキャリアに停滞感を感じていた」と答えています(出典:マイナビ「転職動向調査2026年版」2025年実績)。

「このままでいいのか」というぼんやりした不安も、辞めたい理由として数えてかまいません。

不満を5つの軸に分けると、社内で解決できるものが見えてくる

調査で上位に挙がった理由のうち、会社の将来性への不安を除く4つは、5つの軸に次のように振り分けられます。

  • 給与が低い、昇進や昇給が見込めない → 年収
  • 仕事内容への不満 → 裁量か成長
  • 職場の人間関係 → 上司との関係なら、上司

停滞感のように言葉にしにくい不満は、成長の軸に入れてください。

5つの軸に入らない不満は、軸とは別にメモしてください。

  • 残業や休日出勤:「労働時間」としてメモする。通勤の軸で見るのは、自宅と職場の間の移動の負担だけです。
  • 同僚との関係:「同僚との関係」としてメモする。
  • 会社の将来性への不安:社員1人の力では変えにくいので、これも別にメモする。

5つの軸に分けると、同じ「不満」にも2つの種類があると分かります。

  • 社内で解決できる不満:異動や制度、上司への相談で変わる見込みがある
  • 転職したほうが早い不満:会社の仕組みや方針で決まっていて、今の会社にいる限り変わりにくい

どちらの不満かを見分けるときに見るのは、あなたの「嫌だ」という気持ちの強さではありません。今の会社が、その不満を変えられる状態にあるかです。

たとえば同じ「上司が合わない」でも、異動や配置換えがある会社なら、社内で上司が変わる道があります。何年も同じ上司の下で働くしかない会社なら、会社を変えたほうが早く状況が変わります。

仕分けを始める前に、確かめてほしいこと

ハラスメントや給与の未払いがないかを、先に確かめてください。当てはまる場合は、不満を整理するより、相談を先にしてください。

  • ハラスメントを受けていると感じるとき:上司や同僚の言動が指導の範囲を超えているなら、上司や同僚への不満として仕分けず、社内外の相談窓口や専門家に相談してください。
  • 給与の未払いがあるとき:給与や残業代が約束どおりに支払われていないなら、年収の不満として仕分けず、労働基準監督署などの相談窓口に相談してください。

5つの軸の仕分け表で、今の会社を見る

辞めたい理由を書き出したら、軸ごとに、今の会社の状態が表のどちらに近いかを見てください。

軸 社内で解決できる会社の状態 転職したほうが早い会社の状態
年収 相場並みで、昇給の条件がはっきりしている 相場より明らかに低い水準のまま
通勤 在宅勤務や転居で、通勤を短くできる 勤務地を選べず、在宅勤務もない
裁量 部署によって、任される範囲が広がる 全社で、仕事の手順まで決まっている
上司 異動や配置換えがある 何年も同じ上司のまま変わらない
成長 手を挙げれば、新しい仕事に挑戦できる 何年も同じ仕事の繰り返し

この表は、軸ごとに不満を仕分けるための編集部の目安です。辞めるか残るかは、この表だけでは決めず、仕分けを終えてから、「転職したほうが早い」軸の数で決めてください。

書き出した理由の横に、軸ごとに「社内で解決できる」「転職したほうが早い」「分からない」のどれかを、印として書き添えてください。不満がない軸は、飛ばしてかまいません。

印は、「たぶん無理だろう」という印象ではなく、事実をもとに付けましょう。手がかりになるのは、制度があるか、実際に使った人がいるかです。

在宅勤務や時差出勤、異動、新しい担当に手を挙げる仕組みは、会社にあるだけでは足りません。自分の部署・職種でも使えるか、いつから使えるかまで確かめてください。分からなければ「分からない」に印を付けてください。

どの軸に入れるか迷う不満は、次のように分けてください。

  • 「評価されないから給与が上がらない」→ 評価する人の問題なら上司、会社の制度で誰でも上がりにくいなら年収に入れる
  • 「仕事がつまらない」→ 進め方を決められないなら裁量、同じ仕事の繰り返しなら成長に入れる

軸ごとに、自分に聞く質問

印を付けるときは、軸ごとに次の質問を自分に聞いてみてください。答えが分からないときの確かめ方も添えています。

年収:相場と比べて低いか、上がる条件は見えているか

  • 「職種・経験・勤務地が今の自分と近い求人と比べて、今の年収は明らかに低いか」
  • 「何ができれば、いつ昇給するのかを、自分で説明できるか」

今の年収が相場より低いかは、職種・経験・勤務地が近い求人票と比べて確かめてください。比べるときは、基本給・残業代(固定残業代を含む)・その他の手当・賞与の見込みを分けてください。比べられない項目は「分からない」にしておきましょう。

  • 社内で解決できる:年収が相場並みで、昇給の条件がはっきりしている。条件を満たすために何が足りないかを、次の面談で上司に聞く。
  • 転職したほうが早い:年収が相場より明らかに低いまま、上がる条件も示されていない。
  • 相場より低いが、昇給の条件ははっきりしている:条件を満たしたときの年収が相場に届くかを確かめる。届くなら「社内で解決できる」、届かないなら「転職したほうが早い」に印を付ける。
  • 分からない:昇給の条件を知らない。上司か人事に「次に昇給する条件は何ですか」と聞く。

通勤:在宅勤務や引っ越しで、通勤を短くできるか

  • 「在宅勤務や時差出勤の制度を、自分の部署・職種でも使えるか。使えるなら、いつからか」

  • 「職場の近くへ引っ越せば、通勤を短くできるか」

  • 社内で解決できる:在宅勤務や時差出勤の制度があり、自分の部署でも使っている人がいる。または、職場の近くへ引っ越せる。

  • 転職したほうが早い:勤務地を自分で選べず、在宅勤務の制度もない。

  • 分からない:在宅勤務の制度があるか、自分の部署でも使えるかを知らない。就業規則や社内ポータルで確かめ、それでも分からなければ人事に聞く。

裁量:任される範囲は、部署で変わるか、会社全体で決まっているか

  • 「仕事の進め方を決められないのは、今の部署だけか。それとも会社全体か」

  • 「同じ会社の別の部署に、進め方を任されている人はいるか」

  • 社内で解決できる:部署や上司によって、任される範囲が違う。任せてほしい範囲を1つ決めて上司に相談するか、異動を考える。

  • 転職したほうが早い:会社全体で、仕事の手順まで細かく決まっている。

  • 分からない:ほかの部署の働き方を知らない。同期や別の部署の先輩に、仕事の進め方を聞いてみる。

上司:上司が変わる道は、社内にあるか

  • 「この会社では、異動や配置換えが実際に行われているか」

  • 「今の上司は、何年同じ部署にいるか」

  • 社内で解決できる:異動の公募や定期異動があり、自分の職種でも対象になる。上司か自分が動く可能性がある。

  • 転職したほうが早い:何年も同じ上司のまま変わらず、異動の制度もない。

  • 分からない:異動の制度があるか、自分の職種でも使えるか、次にいつ希望を出せるかを知らない。人事に問い合わせ、過去の人事発表の時期も確かめる。

上司との関係の確かめ方は、「上司が合わない」で辞める前に確かめることでくわしくまとめています。

成長:新しい仕事に挑戦できる道はあるか

  • 「1年前と比べて、できるようになった仕事はあるか」

  • 「手を挙げれば、新しい担当やプロジェクトに入れるか」

  • 社内で解決できる:希望を出せば、新しい仕事に挑戦できる。やってみたい仕事を1つ決めて、次の面談で上司に伝える。

  • 転職したほうが早い:何年も同じ仕事の繰り返しで、新しい仕事に手を挙げる場もない。

  • 分からない:新しい仕事に手を挙げたことがない。まずは上司に、担当を広げられるか、いつから広げられるかを聞く。

仕分けの結果から、次の一歩を決める

「分からない」の軸は、上司や人事に制度や条件を確かめてから数えてください。確かめるまでは、「社内で解決できる」にも「転職したほうが早い」にも数えないでください。

数えるときは、同じ原因から出た不満をまとめて1つと数えてください。たとえば、上司の指示が細かいせいで仕事の進め方を決められないなら、上司と裁量を合わせて1つです。

印を付け終えたら、「転職したほうが早い」軸の数で、次の一歩を決めてください。

「転職したほうが早い」軸の数 次の一歩(編集部の目安)
2つ以上 在職中に転職活動を始める
1つ その不満を受け入れられるかどうかで決める
ない(「分からない」が残る) 決めずに、誰に確認するかを決める
ない(すべて社内で解決できる) 一番困っている不満の改善策と、見直す日を決める

転職したほうが早い軸が2つ以上なら、在職中に転職活動を始める

「転職したほうが早い」軸が2つ以上あるなら、在職中に転職活動を始めましょう。今の会社に残ると、変わりにくい不満を2つ以上抱えたまま働き続けることになるからです。

転職活動は、今の会社を辞めなくても始められます。転職した人の74.3%、およそ4人に3人は、前の会社に在籍したまま転職しています(出典:マイナビ「転職動向調査2026年版」2025年実績)。在職中に探せば、今の収入を保ったまま、次の職場を比べられます。

「転職したほうが早い」に印を付けた軸は、そのまま次の会社を選ぶ条件になります。通勤なら在宅勤務の制度があるか、成長なら新しい仕事を任される道があるかを、求人票や面接で確かめてください。

転職したほうが早い軸が1つなら、その不満を受け入れられるかで決める

「転職したほうが早い」軸が1つなら、その不満を受け入れられるかどうかで決めてください。生活が苦しくなるほどの年収や、体調に響くほどの通勤のように、受け入れられない不満なら、その1つだけでも転職活動を始めましょう。

受け入れられるなら、今の会社で働きながら、社内で解決できるほかの不満を先に解消してください。ほかの不満が解消しても、受け入れると決めた不満が気になり続けるなら、そのときにもう一度仕分けてください。

「分からない」が残るなら、誰に確かめるかを決める

「転職したほうが早い」軸がなく、「分からない」の軸が残っているなら、辞めるか残るかはまだ決めないでください。先に、誰に確かめるかを決めましょう。昇給の条件なら上司か人事、在宅勤務や異動の制度なら人事というように、軸ごとに聞く相手を1人決めてください。

すべて社内で解決できるなら、改善策と見直す日を決める

不満のある軸がすべて社内で解決できるなら、一番困っている不満について、改善策と見直す日を上司や人事と決めてください。見直す日は、半年先までのどこかに置いてください。

見直す日を決めるのは、「もう少し様子を見よう」と待ち続けないためです。見直す日までに変わらなかった軸は、「転職したほうが早い」に移して、もう一度数え直してください。

社内で解決できる不満がいくつあっても、全部を一度に解決しようとしないでください。年収なら人事の制度、上司なら人の配置というように、軸ごとに働きかける先が違うからです。一番困っている不満から、1つずつ取り組みましょう。

不満のある軸が1つだけなら、ほかの軸に無理に不満を探さなくてかまいません。見直す日には、その不満が良くなったかどうかだけを確かめてください。

5つの軸の外にメモした不満も見返す

最後に、5つの軸とは別にメモした不満を見返してください。労働時間、同僚との関係、会社の将来性への不安でも、社内で良くなる見込みがなく、受け入れられないものなら、5つの軸の不満と同じく、転職活動を始める理由になります。

3つの場面で考える(例)

同じ「辞めたい」でも、仕分けると答えは分かれます。以下は、判断の違いを見せるための想定の例です。

例1:27歳・営業。上司の指示が細かく、自分のやり方で仕事を進められない。 仕分けると、不満は上司と裁量に分かれた。同じ会社の別の営業チームには、提案の進め方を任されている先輩がいる。会社には異動の公募制度もあり、半年後に希望を出せる。 → 上司も裁量も、社内で解決できる軸です。どちらの不満も今の上司の任せ方から来ているので、上司が変われば裁量も一緒に変わるかもしれません。この人は半年後の公募で別のチームへの異動を希望し、それでも状況が変わらなければ、もう一度仕分けます。

例2:29歳・事務。通勤がつらく、仕事も入社してからずっと同じ。 勤務地は本社だけで、在宅勤務の制度もない。部署の仕事は定型業務が中心で、新しい担当に手を挙げる場もない。年収と上司には、大きな不満はない。 → 通勤と成長の2つが、転職したほうが早い軸です。この人は在職中に転職活動を始め、通勤のしやすさと、新しい仕事を任されるかを条件に求人を探します。

例3:31歳・品質管理。仕事にも上司にも大きな不満はないが、給料が上がらない。 同じ職種の求人と比べると、年収は明らかに低い。人事に昇給の条件を聞いたが、「会社の業績次第」という答えだった。家族が増え、生活が苦しくなってきた。 → 転職したほうが早い軸は、年収の1つだけです。ただ、生活に響く、受け入れられない不満です。この人は年収の1つだけを理由に、在職中に転職活動を始めます。

まずは今週、紙1枚で仕分ける

次の一歩は1つです。今週のうちに、紙1枚に年収・通勤・裁量・上司・成長の5つの軸を書き、最近「辞めたい」と思った場面を振り分けてみてください。

場面は、「上司が嫌」で止めずに、「会議で出した案を理由なく却下された」のように、その場で起きた出来事まで書いてください。出来事まで書くと、どの軸の不満かを分けやすくなります。

どの軸にも入らない場面は、紙の下のほうに別にメモしてください。

振り分けたら、軸ごとに印を付けてください。今週は、そこまでで十分です。

辞めたいけど決められない辞めたい理由を整理したい

この記事の図解

参考にした統計・資料

  • マイナビ「転職動向調査2026年版」2025年実績

数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針