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内定・比較

退職金がない会社か見分けるには?転職先の制度を内定後に確かめる方法

PR2026年版公開 2026.10.29転職指南 編集部

先に結論

厚生労働省の調査では、常用労働者30人以上の会社のうち、退職金(退職給付)の制度がない会社は24.8%です。求人票で分からなければ、内定のあと承諾の返事の前に、制度の有無と形、何年勤めれば受け取れるかを、採用担当者にメールで確かめましょう。

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この記事の目次
  1. 退職金の制度がない会社は4社に1社、小さい会社ほど多い
  2. 「退職金あり」でも、早く辞めると受け取れない形がある
  3. 労働条件通知書の欄で確かめ、書いていなければメールで聞く
  4. 従業員50人の会社から内定が出た場面で考える(例)
  5. 次の一歩は、承諾の返事の前に退職金の形を聞くこと

内定の連絡が来て、もう一度求人票を見直した。給与や休日は書いてあるのに、退職金のことはどこにも書いていない。今の会社には退職金の規程があり、どこの会社にもあるものだと思っていた。

聞いたほうがいいのは分かっている。でも、入社する前からお金のことを聞いて、印象を悪くしないかが気になる。

この記事では、退職金の制度がない会社がどのくらいあるかを国の調査で確かめたうえで、転職先の退職金の形と、受け取れる条件を確かめる方法をまとめます。

退職金の制度がない会社は4社に1社、小さい会社ほど多い

厚生労働省の調査では、退職金(退職一時金や企業年金)の制度がない会社は24.8%でした。対象は、常用労働者30人以上の会社です。規模別では、1,000人以上の会社で8.8%、30〜99人の会社で29.5%と、小さい会社ほど多くなります※1。

退職金の制度を設けるかどうかは、会社ごとに決めることです。労働基準法は、従業員が常時10人以上の会社に、退職金の定めを「する場合」は、その中身を就業規則に書くことを求めています※2。

小さい会社では、制度がある会社の中身にも特徴があります。同じ調査から計算すると、30〜99人の会社のうち、退職一時金を中小企業退職金共済(中退共)で準備している会社は、約3社に1社です※3。

つまり、従業員30〜99人の会社では、退職金の制度がない会社と、退職一時金を中退共で準備している会社が、どちらも3割ほどあることになります(後のほうは編集部の計算)。

「退職金あり」でも、早く辞めると受け取れない形がある

中退共は、中小企業のための退職金の共済制度です。会社が中退共と契約して、従業員1人あたり月5,000〜30,000円の掛金を払い、従業員が辞めると、中退共から本人に退職金が直接払われます。掛金は全額を会社が払い、従業員に負担させることはできません※4。

受け取れる額は、掛金を納めた月数で決まります※5。

  • 11か月以下:支給されない
  • 12〜23か月:納めた掛金の合計より少ない
  • 24〜42か月:納めた掛金の合計とほぼ同じ
  • 43か月から:運用の利息などが加わる

また、試用期間中の従業員は、中退共に加入させなくてもよいことになっています※6。試用期間が3か月で、そのあとに加入する会社なら、入社から1年2か月で辞めると、掛金を納めた月は11か月で、受け取れません。

社内で準備する退職一時金は会社の退職金規程で、企業型確定拠出年金(企業型DC)や確定給付企業年金(DB)は制度ごとの規約で、受け取れる条件が決まります。

転職先に聞くのは、退職金があるかだけではありません。どの形の制度で、入社から何か月(何年)勤めれば受け取れるかです。

今の会社が中退共に入っている人は、もう1つ確かめることがあります。今の会社で掛金を12か月以上納めていて、辞めてから3年以内に転職先で中退共に加入し、今の会社の分の退職金を請求していなければ、申し出て、前の会社で納めた月数を通算できます※7。今の会社の分を請求する前に、転職先が中退共に入っているかを確かめましょう。なお、企業型DCの資産は、辞めても原則60歳まで受け取れず、辞めたあとに移す手続きが別に要ります※8。

労働条件通知書の欄で確かめ、書いていなければメールで聞く

労働条件のうち、書面で示すことが決まっているのは、契約の期間、働く場所と仕事、働く時間と休み、賃金、退職の決まりなどです。退職金は、制度がある会社なら示す決まりですが、口頭で伝えてもかまいません※9。労働条件通知書に書いていなくても、制度がないとは限りません。なお、パートや有期契約で働く人には、退職金の有無を書面などで示す決まりがあります※10。

厚生労働省の労働条件通知書のひな形(モデル様式)では、退職金は次の欄に出ます。会社の書式によって、欄の名前や場所は違います。

制度の形 ひな形で見る欄 受け取れるまでの決まり 聞くこと
社内で準備する退職一時金 賃金の欄の「退職金」と、就業規則(退職金規程) 退職金規程で決まる 支給の対象になる勤続年数と、自己都合で辞めたときの額の決め方
中退共 その他の欄の「中小企業退職金共済制度」 掛金を納めた月数が11か月以下なら支給されない 加入する時期(試用期間のあとか)と、掛金の月額
企業型DC・DB その他の欄の「企業年金制度」 制度ごとの規約で決まる。企業型DCは、辞めても原則60歳まで受け取れない 制度の名前と、短い勤続で辞めたときの扱い
制度がない 賃金の欄の「退職金」が「無」で、その他の欄の中退共・企業年金も「加入していない」「無」 受け取れない 退職金の代わりに、給与や賞与に含めている分があるか

表で埋まらない所は、承諾の返事をする前に、採用担当者にメールで聞きましょう。内定が出たあとなら、ほかの条件の確認とあわせて聞けます。転職エージェントを通して応募しているなら、担当者に聞いてもらうこともできます。

入社後の生活設計のため、退職金について確認させてください。退職金の制度はありますか。ある場合、制度の形(社内の退職金規程、中小企業退職金共済、企業年金など)と、何年勤めると支給の対象になるか(中小企業退職金共済の場合は、加入する時期)を教えていただけますか。

制度がないと答えられたときと、今の会社の区切りが近いとき

制度がないと答えられても、それだけで断る理由にはなりません。退職金の代わりに給与や賞与に含めている分があるかを聞き、年収と合わせて比べてください。

今の会社の退職金規程で勤続年数の区切りが近い人は、退職日を区切りのあとに置けるよう、入社日を転職先に相談する手もあります。

従業員50人の会社から内定が出た場面で考える(例)

以下は、想定の例です。

例:30歳・総務。今の会社(従業員800人)には退職金の規程がある。内定が出た会社は従業員50人で、求人票にも労働条件通知書にも退職金の記載がない。3〜4年でまた転職するかもしれない。

→ この人は、承諾の返事の前に、文例のメールで退職金の制度を聞きます。「中退共に加入している。試用期間の3か月のあとに加入し、掛金は月5,000円」と答えが来たので、3年で辞めた場合を数えます。納める月は33か月で、11か月以下には当たらず、納めた掛金の合計(約16万5,000円)とほぼ同じ額を受け取れると確かめます。1年で辞めると納める月は9か月で、受け取れないこともメモに残します。3年で辞めた場合は、次の転職先も中退共なら、請求せずに通算できることも書き添え、年収の差と合わせて決めます。

次の一歩は、承諾の返事の前に退職金の形を聞くこと

労働条件通知書を受け取ったら、賃金の欄の「退職金」と、その他の欄の「中小企業退職金共済制度」「企業年金制度」を見てください。どこにも書いていなければ、承諾の返事をする前に、文例のメールを送りましょう。

答えがそろったら、内定2社で迷ったらの表に退職金の行を1つ足して、年収やほかの条件と並べましょう。

出典・注記(10件)

※1 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」第16表 ↩

※2 労働基準法第89条 ↩

※3 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」第16表・第17表から編集部が計算。制度がある70.1%×そのうち退職一時金がある93.4%×そのうち中退共で準備48.5%。複数回答のため、社内での準備との併用を含む ↩

※4 勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部「制度の概要」「掛金」 ↩

※5 勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部「退職金」 ↩

※6 勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部「加入の条件」 ↩

※7 勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部「通算制度」 ↩

※8 厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」 ↩

※9 労働基準法施行規則第5条、厚生労働省「労働条件通知書」モデル様式の記載要領 ↩

※10 パートタイム・有期雇用労働法第6条、パートタイム・有期雇用労働法施行規則第2条 ↩

数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針

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