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リファラル転職の前に

知人の紹介でも条件を書面で確かめる方法

PR2026年版公開 2026.10.30転職指南 編集部

先に結論

厚生労働省の調査では、転職した人のうち、活動の方法に縁故(知人、友人等)も挙げた人は22.2%(複数回答)です。賃金・労働時間などは労働基準法で書面の明示が決まっているので、承諾の前に自分から書面を頼みましょう。

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この記事の目次
  1. 知人の紹介は、転職した人の約4.5人に1人が使う入口
  2. 書面で受け取れる条件と、書面の義務が無い条件
  3. 書面と違っていたときと、確かめなくてよい場合
  4. 紹介が来た28歳が、メールで確かめる場面で考える(例)
  5. 次の一歩は、書面を依頼するメールを送ること

前の職場の同僚から「うちの会社、人を探してるんだけど来ない?」と連絡が来た。知っている人が働いている会社だから安心できるし、話もとんとん拍子に進みそうです。

その一方で、年収も休みも、まだ口頭で聞いただけ。紹介してくれた人の顔が浮かぶと、「条件を細かく聞くのは失礼かもしれない」とも感じてしまいます。

この記事では、知人の紹介で転職を考えるときに、書面で受け取る条件と、書面に載らなくても聞いておく条件、採用担当者へ送る確認メールの文例をまとめます。

知人の紹介は、転職した人の約4.5人に1人が使う入口

厚生労働省の調査では、2024年10月から2025年9月に転職した人のうち、転職活動の方法として「縁故(知人、友人等)」も挙げた人は、転職した人全体の22.2%でした(複数回答のため、ほかの方法との合計は100%を超えます)。同じ調査で、求人サイトや求人情報専門誌などを使った人は45.1%、民間の職業紹介機関を使った人は20.9%です※1。

転職した人全体では、知人の紹介は、民間の職業紹介機関と同じくらい使われています。求人サイトなどの約半分にあたる、転職した人の約4.5人に1人です(編集部の計算)。年齢別では、25〜29歳が18.7%、30〜34歳が22.7%です。

ここで押さえたいのは、使う人が多いことより、話の進み方の違いです。求人サイトで応募した場合は、募集要項に書かれた条件を見たうえで応募します。知人の紹介では、「だいたいこのくらい」「うちは残業少ないよ」といった口頭の説明から始まることが多く、書面の条件を見る前に、話が前に進みます。

つまり、知人の紹介を使う人は少なくありません。話が口頭で先に進みやすいぶん、承諾の前に書面を受け取る手間を、自分で作る必要があります。

書面で受け取れる条件と、書面の義務が無い条件

会社は、労働契約を結ぶとき、賃金や労働時間などの労働条件を働く人に明示しなければなりません※2。ただし、条文は「労働契約の締結に際し」と書いてあるだけで、承諾の返事より前に書面を出すとは書いていません。募集の段階では、募集を行う者に、業務の内容、賃金、労働時間などの明示を求める決まりもあります※3。労働契約を結ぶときに明示する項目のうち、次の表で書面で渡す義務が「あり」の項目は、書面(本人が希望すれば、プリントできるメールなども可)で渡すことが決まっています※4。

一方、賞与と退職手当は、会社が定めている場合に明示する決まりです。昇給は定めの有無にかかわらず明示が必要ですが、書面で渡す義務はありません※5。年収に響く昇給・賞与・退職手当は、どれも書面の義務の外にあります。

確かめる項目 書面で渡す義務 確認のしかた
契約期間(期間の定めの有無、更新の基準) あり 通知書の記載を読む
就業場所と仕事の内容(将来の変更の範囲を含む) あり 配属先と、転勤・異動の範囲を読む
始業・終業の時刻、残業の有無、休憩、休日、休暇 あり 年間休日や固定残業代の有無も確かめる
賃金の決め方・計算・支払いの方法、締め日と支払日 あり 基本給と手当を分けて読む
退職に関すること(解雇の事由を含む) あり 就業規則の該当箇所を確かめる
昇給 なし 時期と、決め方を質問する
賞与(ボーナス) なし 前年の支給の実績を質問する
退職手当(退職金) なし 制度の有無と、対象になる勤続年数を質問する

だから、書面を受け取ったら、まず、書面で渡す義務が「あり」の項目(契約期間、就業場所と仕事の内容、時間と休日、賃金、退職)が書いてあるかを見てください。次に、書面に載っていない昇給・賞与・退職手当を、メールで質問して回答を残します。会社が通知書に賞与や退職金まで書いていれば、質問は減ります。

質問は、紹介してくれた人ではなく、採用担当者に送りましょう。紹介者は、自分の部署のことは知っていても、会社全体の賞与や退職金の制度は知らないことがあります。紹介者に聞かずにすむので、板挟みにもなりません。

入社を前向きに検討しています。承諾のお返事の前に、条件を書面で確認させてください。労働条件通知書(または同じ内容のメール)を、ご送付いただけますか。あわせて、昇給の時期、賞与の支給の実績(前年)、退職金制度の有無を教えてください。

書面と違っていたときと、確かめなくてよい場合

会社が明示した労働条件が事実と違う場合、働く人は、すぐに労働契約を解除できます。住居を変えて就業した人が、解除の日から14日以内に帰郷するなら、必要な旅費は会社が負担することになっています※6。ただし、解除は退職の手続きに近く、転職先を失う重い選択です。入社したあとで気づくより、書面で先に確かめるほうが、はるかに負担は小さくなります。実際の違いがあって迷うときは、都道府県労働局や労働基準監督署の総合労働相談コーナー(無料)で相談してください。

書面の確認を急がなくてよい場合もあります。すでに会社から労働条件通知書を受け取っていて、書面で渡す義務がある項目がそろって書いてある人です。この場合は、昇給・賞与・退職手当の質問だけで十分です。

反対に、承諾の返事を急かされている人は、書面を求めることを優先してください。書面を出すのに時間がかかる、書面は入社日に渡すと言われた、というときは、入社後に条件が変わるおそれがあります。承諾する前に、いつまでに受け取れるかを書面(メール)で確かめましょう。

知人の紹介でも、条件を確かめることは、紹介者の信用を疑うことではありません。双方のミスマッチを防ぐための手順です。

紹介が来た28歳が、メールで確かめる場面で考える(例)

以下は、想定の例です。

例:28歳・営業。前の職場の同僚から、同業の会社に誘われた。口頭で「年収は500万円くらい。ボーナスは年2回」と聞いた。数日後に届いた労働条件通知書には、月給と手当は書いてあるが、賞与の記載が無い。

→ この人は、採用担当者にメールを送り、賞与の支給の実績(前年)を質問します。回答は「業績に応じて支給する。支給額は決まっていない」でした。この人は、年収の見込みを、口頭で聞いた500万円から、月給と手当だけで計算した額に置き直します。そのうえで、現職や、ほかの応募先と並べて比べます。

次の一歩は、書面を依頼するメールを送ること

今週のうちに、採用担当者へ、労働条件通知書(またはメール)の送付と、昇給・賞与・退職金の質問を送ってください。返事が来たら、ほかの応募先の条件と同じ項目で並べます。

並べ方は、内定2社で迷ったら|承諾前に書面と質問で条件を比べる方法で確かめられます。

出典・注記(6件)

※1 厚生労働省「令和7年転職者実態調査」個人調査 表12 ↩

※2 労働基準法第15条第1項 ↩

※3 職業安定法第5条の3。知人の紹介が募集に当たるかは、個別の事情で変わります ↩

※4 労働基準法施行規則第5条 ↩

※5 労働基準法施行規則第5条第1項第3号・第3項 ↩

※6 労働基準法第15条第2項・第3項 ↩

数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針

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