転職のスカウトは意味ない?返信の前に送り主と条件を確かめる方法
先に結論
返信の前に、送り主が企業か紹介会社か、自分の経歴に触れた個別の文かを確かめましょう。仕事内容と賃金が書かれていなければ、返信で聞けます。エン・ジャパンが自社の転職サイト利用者に聞いた調査では、スカウトを受け取ったことがある人のうち、良くない点に「一斉送信のようなメールが多い」を挙げた人が59%でした。
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転職サイトに登録してから、スカウトが何通も届くようになった。「あなたの経歴に注目しました」と書いてあるけれど、同じ文面が友人にも届いていた。これは自分だけに来たものなのか、誰にでも送られているものなのか。返信したら面倒なことにならないか。そう迷って、開かないまま溜まっていく人は少なくありません。
この記事では、届いたスカウトを送り主で分ける方法と、返信の前に確かめること、返し方の文例をまとめます。
「意味ない」かどうかは、スカウトの送り主で変わる
エン・ジャパンが自社の転職サイトの利用者3,825人に聞いた調査では、スカウトメールを受け取ったことがある人は81%でした。良くない点の1位は「一斉送信のようなメールが多い」で、59%でした※1。
スカウトを「意味ない」と感じる理由の1つは、このためとみられます。ただ、届くスカウトを全部同じものとして扱うと、返す価値のあるものまで見逃します。スカウトは、送り主と送られ方で、次のように分けられます。
- 企業の人事や現場の担当者が、プロフィールを見て自分で書いて送ったもの
- 企業が条件で選んだ人へ、転職サイトの仕組みで一斉に送られる定型文
- 人材紹介会社の担当者が、求職者を探して送ったもの
紹介会社からのスカウトは、法律の上で扱いが変わります。厚生労働省の区分の説明では、求職者を探して就職を勧め、応じた人を企業にあっせんすることを事業として行う場合は、職業紹介に当たります。メールで行うスカウトも同じで、勧めに応じたことで、求職の申込みがされたとみなされると書かれています※2。
つまり、紹介会社からのスカウトに「興味があります」と返すと、その会社に紹介を頼んだ扱い(求職の申込み)になることが多いのです。企業が直接送ったスカウトへの返信とは、返信の重さが違います。
国の調査に「スカウト」の項目はなく、送り主の割合は分からない
では、紹介会社を使う人はどれくらいいるのでしょうか。厚生労働省の調査で、転職者が今の勤め先に就職するために使った方法(複数回答)を見ます。この調査の表の選択肢は8つで、「スカウト」という項目はありません。その8つから、3つを抜き出しました(ほかに、ハローワークなどの公的な機関や、知人・友人などの縁故もあります)。スカウトは、「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」や「民間の職業紹介機関」の中に含まれているとみられますが、調査の表からは切り分けられません。
| 転職活動の方法 | 転職者全体 | 25〜29歳 | 30〜34歳 |
|---|---|---|---|
| 求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等 | 45.1% | 53.5% | 47.8% |
| 民間の職業紹介機関 | 20.9% | 27.7% | 22.8% |
| 企業のホームページ | 13.5% | 16.7% | 13.1% |
転職者全体では、民間の職業紹介機関を使った人が20.9%、約5人に1人です。25〜29歳では27.7%で、4人に1人を少し超えます。同じ年代で求人サイトなどを使った人は53.5%なので、紹介会社を使った人の割合は、サイトなどを使った人の割合の約半分です(編集部の計算)。
この数字は、転職者が今の勤め先に就職するために使った方法の割合です。届いたスカウトの送り主の割合ではないので、サイトに届くスカウトのうち紹介会社からのものがどれだけかは、この表から分かりません。分かるのは、紹介会社を使って転職する人は少なくない、ということまでです。まだ紹介会社に相談する気がない人は、返信が紹介を頼んだ扱い(求職の申込み)になりうるので、返信の前に毎回、送り主を確かめましょう。相談する気がある人は、紹介会社からのスカウトを使って、面談の約束を取ることもできます。
返信の前に、送り主・経歴への言及・条件を確かめる
届いたスカウトを開いたら、送り主、経歴への言及、仕事内容と賃金の順に確かめてください。
| 確かめること | 見る場所 | 答えで変わること |
|---|---|---|
| 送り主は企業か、紹介会社か | 署名の会社名。「紹介事業」「人材紹介」と書かれていないか | 紹介会社なら、返信は紹介を頼んだ扱い(求職の申込み)になることが多い |
| 自分の経歴に触れているか | 本文の具体的な言及(職種・経験した業務) | 宛名の差し替えだけなら、一斉配信の可能性が高い |
| 仕事内容と賃金が書かれているか | 職種・業務内容・勤務地・賃金・働き方 | 書かれていなければ、返信で聞く |
送り主の確認で、紹介会社だと分かったときは、職業紹介の許可を受けた事業者かを確かめましょう。国の「人材サービス総合サイト」で、事業者名から探せます。有料の職業紹介事業者は、原則として、求職者から手数料を取れません※4。登録や面談でお金を求められたら、その場で断ってかまいません。
経歴に触れているかの確認は、見分けが難しい点です。企業が選んだ求職者に、サイトがどの人にも共通の定型文でスカウトを送る場合は、求人者と求職者のやり取りに、サイトの判断で手を加える(加工する)ことには当たらないと、厚生労働省は整理しています※5。個別に見えても、宛名だけを差し替えた定型文のことがあります。経歴への具体的な言及があるかどうかは、ひとつの目安として使ってください。
仕事内容と賃金の確認は、職業安定法が根拠になります。企業や紹介会社は、募集や紹介にあたって、仕事の内容と賃金、労働時間などの労働条件を示さなければなりません※6。求人の情報で、誤解を生じさせる表示をすることも禁じられています※7。スカウトの時点で条件が書かれていなくても、返信で聞いてかまいません。
確認を終えたら、次の文例で返してください。
【興味があるとき】ご連絡ありがとうございます。○○の業務に関心があります。応募を決める前に、仕事の内容、賃金の範囲、勤務地、働き方(在宅の可否・残業の目安)を教えていただけますか。
【紹介会社だと分かり、まだ決めていないとき】ご連絡ありがとうございます。現在は情報収集の段階です。登録や面談の前に、御社が紹介できる求人の職種と賃金の範囲を、メールで教えていただけますか。
【断るとき】ご連絡ありがとうございます。検討しましたが、今回は見送らせていただきます。
断りの返信は、必須ではありません。一斉配信のスカウトは、返さずに閉じて問題ありません。
返さなくてよいスカウトと、スカウトを待つだけでは足りない人
次のスカウトは、返さなくてかまいません。
- 希望しない業界・職種のもの(エン転職の調査でも、良くない点に「自分の希望しない業界・職種の求人が多い」を挙げた人は52%でした)
- 賃金も仕事内容も書かず、「面談しませんか」だけを繰り返すもの
- 登録や面談の前に、お金を求めるもの
反対に、スカウトを待つだけでは足りない人もいます。スカウトは、プロフィールや職務経歴を登録した人にしか届きません。働いている職種や年収、希望を書いていなければ、届くスカウトの質も上がりません。また、スカウトが少ないことは、市場での評価が低いことの証拠ではありません。送り手の検索条件に合わなかっただけのことも多いとみられます(編集部の見方)。
以下は、想定の例です。
例:29歳・法人営業。転職サイトに登録して1週間で、スカウトが5通届いた。仕事は続けながら、半年以内に動くか決めたい。
→ この人は、送り主・経歴への言及・条件を順に見て、5通を仕分けます。経歴に触れた企業の人事からの1通と、紹介会社の担当者からの1通は、条件を聞く返信を送ります。宛名だけが違う一斉配信の3通は、返さずに閉じます。紹介会社の1通には「情報収集の段階」と書き、登録するかは、条件を見てから決めます。
次の一歩は、未返信のスカウトを送り主から順に仕分けること
今日のうちに、届いているスカウトを開き、送り主、経歴に触れているか、仕事内容と賃金を順に見て、返信するもの・条件を聞くもの・閉じるものに分けてください。
紹介会社に会うことになったら、転職エージェントの面談で聞くことで、最初の面談の質問を確かめられます。
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