転職エージェントに登録したらどうなる?連絡の流れと登録だけの使い方
先に結論
登録すると、最初の連絡、面談、求人の紹介、応募の順に進みます。国の集計で営業の職業は申込およそ23件あたり就職1件ですが、これは件数どうしの割合で、登録した人が就職できる確率ではありません。
この記事の目次
年末年始の休みに、転職エージェントの登録画面を開いてみた。名前と経歴を入れれば、あとは向こうから連絡が来るらしい。けれど、登録した直後から電話が鳴り続けたり、断りにくい面談を入れられたりしないか、気になって送信を押せない。
この記事では、転職エージェントに登録したあとに何が起きるかを、国の集計と法律で確かめたうえで、最初の面談までの流れと、登録だけにとどめる伝え方、連絡を止める文例をまとめます。
申込の件数で見ると、営業の職業は23件あたり就職1件という割合
転職エージェントは、法律の上では国の許可を受けた「有料職業紹介事業者」です。厚生労働省の集計では、2024年度に有料の職業紹介へ申し込まれた件数のうち、営業の職業は2,086,578件でした。同じ年度に、その職業で常用就職(4か月以上の雇用期間を定めて、または期間を定めずに雇われる就職)に結びついたのは89,563件です※1。申込の件数に対する就職の件数は4.3%で、申込およそ23件あたり就職は1件です(編集部の計算)。登録した人が就職できる確率ではなく、件数どうしの割合です。また、同じ年度の申込の内訳(その申込がその年度に就職に至ったか)を追った数字でもありません。職業別の常用就職と新規の申込の分け方が同じとは限らないので、目安として読んでください。
ほかの職業も、同じ表で計算できます。
- 情報処理・通信技術者(ソフトウェア開発):申込およそ22件あたり就職1件
- 営業の職業:申込およそ23件あたり就職1件
- 総務・人事・企画事務の職業:申込およそ28件あたり就職1件
- 一般事務・秘書・受付の職業:申込およそ28件あたり就職1件
この件数は、人の数ではありません。同じ人が複数の事業者に申し込むと、その数だけ数えられ、集計の注記にも重複があると書かれています※2。
この数字から、事業者の側の事情が見えます。常用就職1件あたりの手数料は、平均で約103万円です※3。紹介の手数料は、原則、求職者からは取れません※4。手数料は、採用した会社から受け取るのが一般的です(編集部の見方)。営業の職業で申込23件に対して就職が1件の割合だとすると、申込1件あたりの手数料は、単純に割って約4万4千円になります(営業の就職の手数料が全職種の平均と同じと仮定した、編集部の計算。同じ申込を追った数字ではないので、目安です)。
登録した人に事業者から連絡が来るのは、事業者が面談まで進めたいからではないか、と編集部は見ています(上の計算からの見方で、事業者の事情は確かめていません)。連絡が来るのは、あなたが悪いことをしたからでも、断れないからでもありません。登録だけにとどめたい人は、最初の連絡に返事をするときに、その意図を一言伝えましょう。
登録から最初の面談までは、次の順で進むことが多い
進み方は会社ごとに違います。多くの会社で見られる順番は、次のとおりです(編集部の見方)。年末年始に登録すると、休み明けに連絡が来ることもあるので、各社の案内で確かめてください。
| 段階 | 起きること | 登録だけにとどめたい人がすること |
|---|---|---|
| ① 登録 | 氏名・連絡先・経歴・希望条件を入力する | 必須でない欄は空けて進める(必須かどうかは画面で確かめる)。画面にある利用目的の説明を読む |
| ② 最初の連絡 | 担当者から、電話かメールで面談の日程の相談が来る | 返信で「今は情報収集の段階です」と伝える。電話に出られないときは、メールでの連絡を頼む |
| ③ 面談 | 経歴や希望条件を聞かれる。対面・電話・オンラインのどれか | 受けるかどうかは自分で決める。受けないなら、日程を決める前に伝える |
| ④ 求人の紹介 | 面談の内容にあわせて求人が届く | 面談なしで、メールで求人だけ送ってもらえるか聞く |
| ⑤ 応募・選考 | 応募を決めると、書類の添削や面接の日程調整が始まる | 応募を決めるまでは、何も進めなくてよい |
原則、求職者が手数料を払う必要はありません。有料職業紹介事業者は、求職者から手数料を徴収してはならないと、法律で決まっています※4。ただし、芸能家やモデル、賃金が一定額を超える科学技術者・経営管理者・熟練技能者の職業に紹介された場合に限り、就職後の賃金の一定の割合以下を求職者から取ることを、省令が例外として認めています※5。登録や面談で、お金を求められたら、その場で応じず、事業者名と許可番号を確かめましょう。
登録だけにとどめるときは、使い道を限り、連絡を止める文例を持っておく
登録だけにとどめる使い方は、次の2つに限ると決めやすくなります。
- 求人の様子を見る:面談を入れずに、条件に合う求人をメールで受け取る
- 面談を1回だけ受ける:年収の相場や、自分の経歴で応募できる求人の幅を聞いて、そこで止める
最初の連絡への返信は、次の文例を使えます。
登録しました。今は情報収集の段階で、応募する時期は決めていません。面談は、応募を決めたときにこちらからお願いします。それまでは、メールで連絡をお願いします。
連絡を止めたいときは、次のように伝えましょう。理由を詳しく書く必要はありません。
転職活動を見合わせることにしました。ご連絡を止めていただき、登録の情報の利用も終了してください。
メールや問い合わせの窓口に送ると、電話に出なくても伝えられます。退会の方法は事業者ごとに違うので、登録した画面や案内のページで確かめてください。
登録した情報の扱いにも、法律の決まりがあります。職業紹介事業者は、求職者の個人情報を、業務の目的を明らかにして集め、その目的の範囲内で保管し、使うことになっています※6。仕事の上で知った人の秘密や個人情報を、正当な理由なく他人に知らせてはならない決まりもあります※7。
連絡を止めたのに情報が使われ続ける場合は、個人情報保護法で、利用する必要がなくなった保有個人データの利用停止や消去を請求できます※8。請求の方法は、事業者の問い合わせ窓口に確かめてください。個別のもめごとは、労働局などの窓口に相談しましょう。
登録だけでは足りない人もいる
次の人は、登録だけにとどめず、面談を受けたほうが、必要なことを早く確かめられます。
- 今の会社で退職を伝える日が決まっている人:退職までの期間が決まっていて、情報だけ集めている余裕が少ない
- 応募したい職種が決まっていて、自分の経歴で応募できる求人の幅を知りたい人:面談で経歴を見てもらうと、求人の幅が分かる
反対に、応募したい会社がすでに決まっている人は、その会社の採用ページから直接応募できます。エージェントに登録しなくても応募できるので、登録そのものを急ぐ必要はありません。
登録直後に電話が続いた場面(例)と、登録の前にすること
以下は、想定の例です。
例:29歳・法人営業。12月28日の夜に転職エージェントへ登録した。年明けの1月5日の朝に、知らない番号から着信が3回あり、メールでも面談の日程の相談が届いた。応募する時期は、まだ決めていない。
→ この人は、電話にはかけ直さず、メールで返信します。「今は情報収集の段階で、応募の時期は決めていません。面談は、応募を決めたときにお願いします。それまではメールで連絡をください」と書きます。そのうえで、年収の相場だけ聞きたいと考え、面談を1回だけ受けて、そこで止めると決めます。
今日のうちに、最初の連絡への返信の文例と、連絡を止める文例を、スマホのメモに保存してください。そして、登録するエージェントの退会の方法を、登録の前に確かめましょう。
面談を受けると決めたら、転職エージェントの面談で聞くことの質問リストで準備してください。
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