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内定・比較

年収が下がる転職、許容範囲は?1年目の手取りと住民税から決める

PR2026年版公開 2026.10.12転職指南 編集部

先に結論

年収が下がる転職の許容範囲は、住民税がまだ下がらない1年目の手取りで確かめましょう。毎月の生活費と貯金に、今の住民税と、あとで増える税に備える余裕(例えば月2,000円)を足し、給与明細から出した「残る割合」で割った額が、下げてよい月給の下限です。

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この記事の目次
  1. 転職で賃金が減った人の多くは、1割以上減っている
  2. 手取りは額面ほど減らない。ただし1年目は住民税が下がらない
  3. 住民税が新しい年収に追いつくのは、入社した翌々年から
  4. 下げてよい月給の下限を出す手順
  5. 次の一歩は、給与明細から2つの数字を書き出すこと

内定の書面を開いたら、月給が今より4万円低かった。仕事の中身にも働き方にも納得しているのに、額面の差を見ると、本当に暮らしていけるのかと手が止まる。

この記事では、年収が下がったときに手取りがいくら減るかを1年目とそのあとに分けて計算し、下げてよい月給の下限を出す手順をまとめます。

転職で賃金が減った人の多くは、1割以上減っている

国の調査で、2025年の1年間に転職した人の賃金を前の職場と比べると、次のとおりでした※1。

前の職場と比べた賃金 25〜29歳 30〜34歳
減った 23.9% 29.0%
うち1割以上減った 16.5% 19.0%

賃金が減った人のうち1割以上減った人は、25〜29歳で約7割、30〜34歳で約3分の2です(編集部の計算)。

転職で賃金が下がるときは、1割以上下がることのほうが多いということです。下がる転職を考えるなら、1割以上下がる前提で、手取りを計算しておきましょう。提示が出ているなら、その額で計算してください。

手取りは額面ほど減らない。ただし1年目は住民税が下がらない

  • 社会保険料(健康保険・厚生年金など):入社したときの給与の額で決まり、入社した月から新しい額になる※2。給与から引く月は、会社によって1カ月ずれることがある
  • 所得税:毎月の給与に応じて引かれ、新しい給与に合わせて下がる
  • 住民税:前の年の所得で決まり、6月から翌年5月まで給与から引かれる※3。入社してしばらくは、前の会社の年収で決まった額のまま

月給が36万円から32万円に下がる場合を、仮の数字で計算しました。

1カ月あたり 転職前 1年目(入社から翌年5月まで) 住民税が追いついたあと
額面(月給) 36万円 32万円 32万円
社会保険料 5万2,900円 4万7,000円 4万7,000円
所得税 5,700円 4,400円 6,200円
住民税 1万6,500円 1万6,500円 1万3,800円
手取り 28万4,900円 25万2,100円 25万3,000円

(計算の例。前提:東京都・協会けんぽ・40歳未満・扶養なし・賞与なし・残業代と通勤手当なし・前の年も同じ月給。社会保険料は2026年度の料率、住民税は2026年の所得にかかる決まりで計算し、年が変わっても同じとした。所得税は年末調整のあとの1年分を12で割った額で、基礎控除は、1年目までは2026・2027年分の104万円、住民税が追いついたあとは2028年分からの予定の62万円で計算した)※4

額面は月4万円下がりますが、1年目の手取りの減り方は月3万2,800円(約3.3万円)です。社会保険料と所得税も、新しい月給に合わせて下がるからです。

一方で、住民税は1年目も1万6,500円のままです。今から入社する人は、住民税が追いつくのが早くても2028年6月で、2028年分からは所得税の基礎控除が下がる予定です。そのため、追いついたあとは所得税が1年目より月1,800円ほど増え、手取りは1年目より月900円多いだけです。

2028年1月から住民税が追いつくまでの月は、所得税だけが増えるので、手取りは表の1年目より最大で月1,800円ほど少なくなる計算です。

この計算の例では、住民税が追いついても、手取りはほとんど増えません。下げてよいかどうかは、1年目の手取りで、生活費と貯金のほかに、あとで増える税の分の余裕(この計算の例なら月2,000円ほど)が残るかで確かめましょう。

住民税が新しい年収に追いつくのは、入社した翌々年から

入社した年の所得には前の会社の給与も入るので、新しい会社の給与だけで決まった住民税が引かれ始めるのは、翌々年の6月からです。4月に入社した場合は、次のとおりです。

給与から引かれる時期 住民税を決める所得 住民税の額
入社した4月から翌年5月まで 前の会社にいた年の所得 前の年収で決まった額のまま
翌年6月から翌々年5月まで 入社した年の所得(1〜3月は前の会社、4〜12月は新しい会社) 一部が下がる
翌々年6月から 新しい会社の所得だけ 新しい年収に合った額

1月に入社し、その年に前の会社の給与がない人は、翌年6月から新しい年収に合った額になります。

辞める月によっては、住民税をまとめて払う月が出ます。1〜4月に辞めると、5月分までの残りを、最後の給与などからまとめて引かれるのが原則です。6〜12月に辞めると、申し出ればまとめて引いてもらえます(どちらも、5月31日までに払われる給与などが残りより多い場合)。給与などが残りより少ないときや、6〜12月に辞めて申し出ないときは、納付書で自分で納めます。次の会社の給与から続けて引いてもらう手続きもあります※5。

下げてよい月給の下限を出す手順

許容範囲は、「1割まで」のような決まった割合ではなく、あなたの生活費と貯金から決まります。

下限は、年収ではなく、賞与を除いた月給で出します。年収で提示されたら、賞与と残業代の見込みを除いて12で割り、月給に直して比べてください。

次に当てはまるときは、下限を出す前に、生活費や使う数字を直してください。

  • 社宅など、年収に出ない条件が変わる:社宅がなくなるなら、増える家賃を生活費に足してください
  • 40歳以上、扶養する家族がいる、東京都以外に住んでいる、健康保険組合に入っている:計算の例とは数字が変わるので、自分の給与明細の数字を使ってください
  • 同じ職種で、働き方も変わらないのに年収が下がる提示:下限を出す前に、その額が相場どおりかを確かめてください

給与明細と家計のメモを見て、順に書き出してください。

手順 書き出すこと 出し方
1 毎月の生活費 家賃・光熱費・通信費・保険・返済などの固定費に、食費などを足す
2 毎月の貯金 転職後も続けたい額
3 今の住民税 給与明細の住民税の額。1年目は変わらないので、そのまま使う。ただし、明細の住民税は前の年(1〜5月の明細は前の前の年)の年収で決まるので、そのあと年収が大きく増えた人は、6月から上がる分を足す
4 残る割合 1-(社会保険料の合計+所得税)÷(総支給額-通勤手当)。社会保険料は、明細の健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険を足す
5 下限の月給 (生活費+貯金+今の住民税+余裕)÷残る割合。余裕は、あとで所得税や社会保険料が増える分を先に見ておくためのもの。増える額は人によって違い、決まった額は無いので、例えば月2,000円と仮に置く。増やすと下限は高めに出るが、そのぶん安全側

提示の月給が下限を下回るなら、承諾の返事をする前に、月給の相談をするか、生活費や貯金を見直して下限を出し直せるかを考えてください。それでも下回るなら、承諾を見送りましょう。

次は想定の例で、数字はこの記事の前提で計算した概算です。

例:31歳・法人営業。未経験の人事職に内定し、月給は34万円から27万円に下がる。 生活費は20万円、貯金は月1万5,000円。明細の住民税は1万5,200円、残る割合は84%で、余裕を月2,000円と仮に置くと、下限は約27万6,400円。提示の27万円は、この下限を下回る。1年目の手取りは約21万1,000円で、生活費と貯金に月4,000円ほど足りない。2028年分から所得税が増える予定のため、住民税が追いついたあとも約21万3,600円で、月1,400円ほど足りない。 → この人は、足りない月が続くので、貯金を月5,000円に減らして下限を出し直します。下限は約26万4,500円になり、提示の27万円はこの下限を上回るので、この人は承諾の返事をします。

次の一歩は、給与明細から2つの数字を書き出すこと

今週のうちに、今月の給与明細を出して、住民税の額と残る割合をメモに書いてください。この2つがあれば、生活費と貯金、余裕(例えば月2,000円)を足すだけで、下げてよい月給の下限が出せます。内定の書面が届いたら、内定2社で迷ったら|承諾前に書面と質問で条件を比べる方法の表で、月給の内訳まで確かめてください。

出典・注記(5件)

※1 厚生労働省「雇用動向調査」令和7年 表6。パートタイムで働く人も含む ↩

※2 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」 ↩

※3 総務省「個人住民税」、東京都主税局「個人住民税と特別徴収について」 ↩

※4 協会けんぽ東京支部「令和8年度保険料額表」、厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率のご案内」、国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」令和8年4月、品川区「特別区民税・都民税の税額の計算方法」 ↩

※5 地方税法第321条の4・第321条の5・第321条の7 ↩

数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針

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