リファレンスチェックを頼める人がいない・現職に知られたくないときの進め方
先に結論
リファレンスチェックは、応募者本人の同意を得て進めるのが原則です。マイナビの2024年3月度の調査では、中途採用で実施している企業は36.6%(企業の回答)で、頼まれる場面は珍しくないので、同意の前に応募先へ、頼める相手の条件を確かめましょう。
この記事の目次
最終面接が近づいたころ、応募先から「リファレンスチェックをお願いします」と言われた。頼めそうな人を思い浮かべても、今の上司には転職のことを話していないし、前の会社には連絡先も分からない人ばかり。
断ったら落ちるのか、黙って現職に連絡が行くのか。どちらも分からないまま、返事の期限だけが近づいてきます。
この記事では、リファレンスチェックがどんな決まりで進むかを確かめたうえで、頼める人の洗い出し表と、同意の前に応募先へ確かめることをまとめます。
リファレンスチェックは、本人の同意を得て進めるのが原則
リファレンスチェックとは、応募先が、応募者の前の職場の上司や同僚などに、仕事ぶりや人柄を聞く手続きです。
応募先が現職の人に黙って連絡する形は、原則として想定されていません。職業安定法第5条の5について定めた厚生労働省の指針は、求人者や募集を行う者が求職者の個人情報を本人以外から集めるときは、本人の同意の下で行うなど、適法かつ公正な手段によるよう求めています※1。
つまり、現職に知られるかどうかは、同意の前に、誰に連絡してよいかを自分で決められるかで変わります。
実施する企業は、民間の調査で3割台です。マイナビの2024年3月度の調査では、企業の回答で、中途採用でリファレンスチェックを実施している企業は36.6%、従業員301名以上の企業に絞ると56.5%でした。一方、中途採用の選考を受けたことがある人のうち、リファレンスチェックを受けた経験がある人は31.5%です※2。
企業側と応募者側の両方で3割台で、従業員301名以上の大きな会社ほど実施している割合が高い手続きだと分かります。大きな会社を受ける人は、頼まれてから探すのではなく、応募を始める時点で頼める人を洗い出しておきましょう。そうすれば、返事の期限に追われません。
頼める人は、現職の人だけではない
不安の中身は、現職に知られることです。経営者JPが管理職115名に聞いた調査では、リファレンスチェックを受けたくない理由の1位が「現職の人に転職を考えていることが知られてしまう」で、21.7%でした※3。
ただし、頼む相手は現職の上司に限られません。応募先の指定が「直属の上司1名と同僚1名」でも、前の会社の人や、取引先の人でよいかを、応募先に聞けます。応募先が条件を緩めるかどうかは会社ごとに違うので、まず聞いてみるのが先です。
次の表で、頼めそうな人を洗い出してください。表は、現職に知られにくい順に並べています。
| 頼む相手 | 現職に知られるおそれ | 向いている場面 | 先に確かめること |
|---|---|---|---|
| 前の会社の上司 | 低い | 同じ業界・職種へ移る | 今も連絡がつくか、仕事ぶりを具体的に話せるか |
| 前の会社の同僚・部下 | 低い | 上司と関係が良くなかった | 応募先が上司以外でもよいとしているか |
| すでに退職した現職の元同僚 | 低い | 今の会社で一緒に働いた人が辞めている | 今の職場の人と今も付き合いがあるか |
| 取引先・社外の協力者 | 中くらい | 社外の人の方が仕事ぶりを知っている | 応募先が社外の人でもよいとしているか。依頼の連絡が現職に伝わらないか |
| 現職の同僚 | 高い | 転職の相談をすでにしている人がいる | その人が秘密を守ってくれるか。内定が出る前に頼まない |
| 現職の上司 | 最も高い | 上司が転職を応援している | 内定前に頼むと、そのまま知られると考える |
洗い出しの基準は、応募先の条件に合うこと、応募者の仕事ぶりを具体的に話せること、秘密を守ってくれることです。一緒に仕事をした期間が長い人ほど、話は具体的になります。
同意する前に、応募先へ時期・相手・結果の使い道を確かめる
同意書にサインする前に、応募先へ次のことを聞いてください。聞き方は丁寧にし、答えがあいまいなときは、同意を急がないでください。
- いつ実施するか(内定の前か後か。現職の人に連絡するのが内定後なら、内定が出る前に知られるおそれは下がる)
- 誰に頼めばよいか(人数・役職・前の会社の人でもよいか)
- 質問の内容と、結果をどう使うか(選考の判断に使うのか、確認だけか)
メールなら、次のように書けます。
リファレンスチェックについて、承知いたしました。現職には転職活動を伝えておらず、現時点では現職の方への依頼が難しい状況です。前職の上司または同僚の方に依頼する形で進められないか、ご相談させてください。あわせて、実施の時期と質問内容を教えていただけますでしょうか。
現職に伝えていない事情は、最初に書いておくと、応募先が条件を考える材料になります。調整に応じるかは、会社ごとに違います。
頼める人がいない・断りたいときは、事情を伝えて代わりの手を出す
当てはまらない人もいます。前の会社を人間関係の問題で辞めた人や、新卒からずっと同じ会社にいて、社外に頼める人がいない人です。
この場合は、断るのではなく、応募先に事情と代わりの案を出してください。たとえば、応募書類の内容を裏づける人事評価の資料や成果物の記録(社外に出してよい範囲かを、今の会社の規則で確かめてから)、仕事で関わった社外の人を挙げます。応じるかどうかや、選考にどう響くかは会社ごとに違うので、応募先の担当者に確かめてください。
以下は、想定の例です。
例:32歳・法人営業。最終面接のあと、応募先から「前職か現職の上司1名と同僚1名」と言われた。現職の上司には転職を話していない。
→ この人は同意書にサインする前に、応募先へ「前職の上司1名と、すでに退職した元同僚1名でも問題ないか」とメールで確かめます。応募先が認めたので、前職の上司と元同僚に事前に連絡して、仕事の実績を2つ共有したうえで、同意書にサインします。現職には連絡が行かない形で、選考が進みます。
次の一歩は、頼める人を3人書き出すこと
今日のうちに、頼む相手と現職に知られるおそれの表を見ながら、頼めそうな人を3人書き出してください。1人ずつ、今も連絡がつくか、仕事ぶりを具体的に話せるかを書き添えます。そのうえで、応募先から頼まれたら、同意の前に、実施の時期・頼む相手・結果の使い道を聞きましょう。
現職に転職を伏せたまま進めるときの段取りは、働きながら転職活動を進めるにはで確かめられます。
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