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上司・人間関係

管理職になりたくないのは逃げ?

断る前に役割と給料の差を確かめる

PR2026年版公開 2026.10.15転職指南 編集部

先に結論

管理職になりたくないと感じるのは、逃げではありません。打診に答える前に、役割の中身、自分の会社での給料の差、管理職にならない場合の道の3つを確かめてから、引き受けるか断るかを決めましょう。

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この記事の目次
  1. 「今の会社で管理職になりたい」正社員は、6人に1人にとどまる
  2. 先に人事に確かめてほしいケース
  3. 役割と給料の差を確かめてから、引き受けるか断るかを決める
  4. 想定の例で考える
  5. 次の一歩は、賃金規程で役職手当を確かめること

上司との面談で、「来期から課長をお願いしたい」と言われた。認めてもらえたのはうれしい。でも、正直に言えば、なりたくない。

部下の評価も、課の数字の責任も、自分に務まる気がしない。それなのに、断ったら「逃げた」と思われそうで、自分でも逃げているような気がしてくる。

この記事では、打診に答える前に確かめたい役割の中身・給料の差・管理職以外の道を、計算の例つきでまとめます。

「今の会社で管理職になりたい」正社員は、6人に1人にとどまる

パーソル総合研究所が全国の働く人1万人に聞いた調査で、役職が一般社員か係長相当の正社員のうち、「今の会社で管理職になりたい」と答えた人(「そう思う」「ややそう思う」の合計)は、2026年に16.6%でした※1。

残りの8割あまりには「どちらともいえない」と迷っている人も含まれますが、「なりたい」と答える人は少数派です。管理職になりたくないと感じるのは、珍しいことではありません。

迷いが大きくなるのは、打診された役職で自分の仕事と給料がどう変わるのかが、まだ具体的に見えていないからです。同じ「課長」でも、部下が2人の課と10人の課では、責任も時間も違います。

「逃げかどうか」は、考えても答えの出ない問いです。代わりに、確かめれば答えが出る3つの問い(役割の中身、給料の差、管理職にならない場合の道)に置き換えましょう。

先に人事に確かめてほしいケース

打診ではなく、すでに決まった人事として伝えられた場合は、話し合える幅が限られることがあります。断れるかどうかや、断った場合の扱いは、会社の決まりや事情によって違います。先に就業規則を読み、人事に確かめてください。

育児や介護で、働ける時間に制約がある場合は、役職の中身より先に、管理職になっても使える両立の制度があるかを人事に確かめましょう。たとえば、子どもを育てる人が請求すれば残業をしなくてよくなる制度(所定外労働の制限)は、2025年4月から、対象が3歳未満の子から小学校入学前の子まで広がりましたが、労働基準法の「管理監督者」に当たる管理職は対象外とされています※2。管理監督者に当たるかどうかは役職名だけでは決まらないので、次の節の説明もあわせて読んでください。

役割と給料の差を確かめてから、引き受けるか断るかを決める

打診を受けたら、その場で答えを出さず、まず返事の期限を聞いてください。そのうえで、次の3つを上司や人事に聞きましょう。

  • 役割の中身:部下は何人で、評価面談も担当するか。繁忙期にはどのくらい遅くまで働いているか。今の担当のうち、続けるものと引き継ぐものはどれか。研修や、最初のうちに相談できる人はいるか
  • 給料:基本給と役職手当、賞与の決め方。残業代の対象になるか
  • ほかの道:部下を持たずに上の等級に上がれるコース(専門職など)があるか。今の等級のままで、昇給がどこまで続くか。断った場合の評価や、次の打診の機会はどうなるか

給料の差は、統計より自分の会社の数字で数えましょう。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の役職別の表で、年齢を35〜39歳にそろえ、残業代と賞与を含めた年収の目安を計算すると、課長級と非役職者の差は年に約298万円でした※3。ただし、これは別々の会社で働く別々の人の平均を並べたもので、同じ人が課長になったときに上がる額ではありません。統計の平均と自分の月給を同じ物差しでそろえる方法は、20代後半の給料、平均より低い?にまとめています。

自分の会社で数えるときに見落としやすいのが、残業代です。管理職を残業代の対象から外している会社では、昇格すると今の残業代がなくなります。役職手当と基本給の増えた分を足しても今の残業代より少なければ、月給は下がります。

管理職が残業代の対象から外れるのは、一般的には、労働基準法の「管理監督者」に当たる場合です。管理監督者に当たるかどうかは、役職名ではなく、職務内容、責任と権限、勤務の仕方、待遇などの実態で判断されるとされています。管理監督者でも、深夜(22時〜翌5時)の割増賃金と年次有給休暇はあります※4。昇格したあとの扱いは人事に確かめ、疑問が残るときは労働基準監督署に相談してください。

自分の会社での差は、直近6カ月の給与明細、去年の賞与明細、会社の賃金規程を用意して、次のように数えましょう。通勤手当のように、昇格しても変わらない手当は、どちらにも入れずに数えてください。

  • 今の年収:(基本給+主任手当など昇格でなくなる手当+直近6カ月の残業代の平均)×12+去年の賞与
  • 管理職になった年の年収:(管理職の基本給+役職手当)×12+管理職の賞与の見込み。残業代の対象から外れるなら、残業代は0で数える
  • 差:年の差は、管理職になった年の年収-今の年収。月の差は、(管理職の基本給+役職手当)-(今の基本給+昇格でなくなる手当+残業代の平均)

確かめた結果を、次の表の上から順に当てはめてください。最初に当てはまった行の「次にすること」をしましょう。

確かめた結果 次にすること
基本給・役職手当・残業代の扱いが、聞いても分からない 条件が分かるまで返事を待ってもらう。人事の資料か書面で確かめる
働ける時間の制約が、なりたくない一番の理由 管理職でも使える両立の制度を確かめ、引き受ける時期を相談する
今の仕事を続けたく、専門職のコースがある 専門職のコースで上がる条件と給料を確かめ、管理職になった場合の給料と比べる。専門職の道で納得できれば、管理職は断る。納得できなければ、下の行に進む
今の仕事を続けたいが、管理職以外に上がる道がない 今の等級の上限を確かめる。上限に納得できれば断る。納得できなければ、引き受けるか、在籍したまま転職活動を始めるかを決める
責任や時間の増え方そのものを受け入れられない(給料の差では埋まらない) 部下の数や担当の残し方を相談し、変わらなければ断る
年の差が増える責任や時間に見合わない、または月給が下がる 2年目以降の昇給の見込みを人事に確かめる。見込みを含めても見合わなければ、断るか、時期を相談する
不安の中心が「自信がない」こと 研修や相談できる人を確かめて、引き受ける。いなければ、最初の数カ月に相談できる人を上司に頼んでから引き受けるか、時期を相談する
上のどれにも当てはまらない なりたくない一番の理由を1行で書き、上の行に当たらないか見直す。どの行にも当たらなければ、引き受ける方向で、始める時期と条件を上司と確かめる

想定の例で考える

例:32歳・法人営業の主任。来期から課長にと打診された。部下は4人で、評価面談も担当する。4月に管理職研修があり、隣の課の課長が相談役になってくれる。賃金規程では、課長は基本給33万円+役職手当5万円で残業代の対象外、賞与は年150万円の見込み。今は基本給30万円(主任手当はない)、残業代が月平均3万円、賞与は年120万円。

今の年収は(30万円+3万円)×12+120万円=516万円、課長になった年の年収は(33万円+5万円)×12+150万円=606万円で、差は年90万円です。月の差は、38万円-33万円=5万円です(計算の例)。

→ この人は、部下を評価する自信がないことが、なりたくない一番の理由でした。研修と相談役があり、年90万円の差にも納得できたので、この人は引き受けます。

次の一歩は、賃金規程で役職手当を確かめること

今週中に、打診された役職(まだ打診を受けていない人は、1つ上の役職)の役職手当と残業代の扱いを、賃金規程か等級表で探し、メモに書き出してください。

どちらの資料も見当たらないときは、人事に「役職ごとの手当と、残業代の扱いは、どこで確かめられますか」と聞いてください。

出典・注記(4件)

※1 株式会社パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査」2026年。会社員(正社員)の値 ↩

※2 厚生労働省・都道府県労働局「育児・介護休業法 令和6年(2024年)改正内容の解説」 ↩

※3 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」役職第1表をもとに編集部が計算 ↩

※4 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」 ↩

数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針

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