仕事が向いてないと感じたら
仕事内容の不満か、失敗のつらさかを分ける
先に結論
「向いてない」と感じた場面を3つ書き、仕事内容・失敗や責任・人との関係に振り分けましょう。仕事内容のずれは異動か転職で変えられますが、失敗や責任のつらさは職場を変えても付いてきやすいと編集部は見ているので、先に今の職場で防ぎ方と相談の仕方を変えてみましょう。
この記事の目次
今月に入って、同じような確認漏れを2回した。上司に指摘されるたびに、周りの同僚は同じ仕事を普通にこなしているのに、と比べてしまう。
自分はこの仕事に向いてないのかもしれない。そう思い始めてから、帰りの電車で求人サイトを開く日が増えた。
この記事では、仕事でつらくなりやすいことを国の調査で確かめたうえで、「向いてない」と感じた場面を3つに振り分けて、転職で解消できる悩みかどうかを見分ける表をまとめます。
20代・30代に多い失敗のつらさと、選び直せる仕事内容
厚生労働省の「労働安全衛生調査」(令和6年)では、働いている人に、仕事や職業生活で強い不安・悩み・ストレスになっている事柄を、主なもの3つまで聞いています。強いストレスがあると答えた人が挙げた事柄の上位2つは、20代と30代で次のとおりです※1。
- 20代:1位は「仕事の量」(40.7%)、2位は「仕事の失敗、責任の発生等」(38.7%)
- 30代:1位は「仕事の失敗、責任の発生等」(42.7%)、2位は「仕事の量」(42.2%)
ミスが続いて「自分は向いてない」と感じるのは、あなただけではありません。30代では、仕事の失敗や、それで責任を問われることが、仕事の量とほぼ並んで最も多く挙がるストレスです。
では、転職すれば「向いてない」という気持ちは消えるのでしょうか。厚生労働省の「転職者実態調査」(令和7年)では、自分の都合で前の会社を辞めた転職者に、辞めた理由を3つまで聞いています。25〜29歳で最も多かったのは「満足のいく仕事内容でなかった」で、30.1%でした※2。
同じ調査で、自分の都合で辞めた転職者に今の勤め先の満足度を聞くと、「仕事内容・職種」に満足(やや満足を含む)と答えた人は69.5%で、不満(やや不満を含む)は10.9%でした※3。自分の都合で辞めて次の勤め先を選んだ人の7割近くが、今の仕事内容に満足しています。仕事内容を理由に辞めた人だけの数字ではなく、転職先に今も勤めている人に、入って1年ほどまでの時点で聞いた数字なので、迷っている人が転職すれば同じになるとは限りません。それでも、仕事内容は、次の勤め先を選ぶときに自分で選び直せる条件です。
一方、仕事の失敗や責任は、どの勤め先でも、仕事を任されれば付いてくることが多いものです。会社を変えても、同じ重さの仕事を任されれば、同じつらさを感じやすくなります(この段落は編集部の見方)。
「向いてない」の中身が仕事内容なら、異動や転職で変えられます。失敗や責任のつらさなら、転職より先に、今の職場で失敗の防ぎ方と相談の仕方を変えてみましょう。会社を変えずに、先に試せます。
「向いてない」と感じた場面を3つに振り分ける表
最近1カ月で「向いてない」と感じた場面を3つ、1行ずつ書き出してください。「月末の請求書で金額を間違え、上司に指摘された」のように、いつ・何があったかまで書きます。そのうえで、場面を1つずつ、次の表の最も近い行に振り分けましょう。
| 振り分け先 | 見分ける問い | 次にすること |
|---|---|---|
| 仕事内容が合わない | ミスなくこなせたとしても、その作業を続けたいと思えないか | 続けたくない作業と、続けてもよい作業を書き分ける。社内の異動か転職で、続けてもよい作業が多い仕事を探す |
| 失敗や責任がつらい | ミスや責任の重さがなければ、続けてもよいと思えるか | ミスの種類(確認漏れ・聞き漏れ・時間切れなど)を書き出し、確認の手順と、相談するタイミングを上司と決める。時間切れのミスが多いなら、先に仕事の量を上司に相談する |
| 特定の人との関係 | 同じ仕事を、別の上司や先輩となら続けられそうか | 仕事の向き不向きとは分けて考える。相手との仕事の進め方を変えるか、上司や人事に担当や部署の変更を相談する |
振り分けたら、次のように進めてください。
- 3つの場面のうち2つ以上が同じ振り分け先なら、その振り分け先の「次にすること」から始める
- 3つがばらばらなら、場面をあと2つ書き足し、最も多い振り分け先から始める
- 書き足しても最も多い振り分け先どうしが同じ数なら、その中に失敗や責任の行があればそこから、無ければ特定の人との関係の行から始める。どちらも社内で先に試せて、試したあとに残った場面を見れば、仕事内容のずれかどうかがはっきりするため
振り分けが当てはまらない人と、職場を選び直した方がいい場合
入社1年目で、まだ仕事を教わっている途中の人は、どの場面も「まだ慣れていない」ことが原因になりやすく、振り分けが失敗や責任の行に偏りやすくなります。ひととおりの仕事を1人で任されてから、この表を使ってください。それまでは、ミスをした場面を書き留め、仕事を教えてくれる人に、確認の手順を聞いておきましょう。
ミスを理由に、人前で大声で責められる、人格を否定されるといった扱いを受けているなら、それは向き不向きの問題ではありません。振り分けより先に、社内の相談窓口か、都道府県労働局などにある総合労働相談コーナーに相談してください。
仕事内容の行に振り分けた人でも、今の会社に続けてもよい作業が多い部署があり、異動の希望を出せるなら、転職より先に異動を試しましょう。会社を変えずに仕事内容を変えられます。
反対に、失敗や責任の行に振り分けた人でも、上司に相談して確認の手順を決めようとしても時間を取ってもらえない、ミスを1人で抱える形が変わらないときは、つらさの原因は、あなたの向き不向きより、職場の仕組みにある見込みが大きいと編集部は見ています。その場合は、職場を選び直す理由になります。
ミスの多くが、締め切りの重なりや人手不足で時間が足りないことから起きているなら、それは向き不向きより、仕事の量の問題です。上司に担当の量を相談し、それでも変わらなければ、職場を選び直す理由になります。
見積書のミスが続く営業の場面で考える(例)
以下は、想定の例です。
例:28歳・法人営業。見積書の金額の間違いが2回続き、「向いてない」と感じている。最近1カ月の場面を3つ書くと、「見積書の金額の間違いを上司に指摘された」「大きな案件を1人で任され、締め切り前に何度も見直した」「毎週の新しい取引先への電話の時間が、いちばん気が重い」だった。
→ この人は、見積書の間違いと大きな案件の見直しの場面を、ミスや責任の重さがなければ続けられるので「失敗や責任がつらい」に、新しい取引先への電話の場面を、ミスなくできても続けたくないので「仕事内容が合わない」に振り分けます。2つが失敗や責任の行なので、求人サイトを見るのをいったん止め、上司と一緒に、見積書の確認の手順と、大きな案件で途中に相談するタイミングを決めます。手順を変えたあとも、新しい取引先への電話の場面だけが残るなら、今の取引先を担当する仕事への異動か、転職を考えます。
次の一歩は、「向いてない」と感じた場面を3つ書くこと
今週のうちに、最近1カ月で「向いてない」と感じた場面を3つ、いつ・何があったかまで書き出し、表の3つの振り分け先に分けてください。仕事内容の行が2つ以上なら、続けたくない作業と続けてもよい作業を書き分けるところまで進めましょう。
仕事内容の行に振り分け、辞める時期を考え始めたら、「3年は続けろ」は本当?で、年数ではなく、今の会社から何を持って出るかで決める方法を確かめられます。
この記事にはプロモーション(広告)が含まれます。(広告について)