「3年は続けろ」は本当?
年数より「何を持って出るか」で決める
先に結論
「3年」は昔から言われてきた目安で、決まったルールではありません。年数ではなく、「今の会社から何を持って出るか」で辞める時期を判断しましょう。
この記事の目次
「最低3年は続けろ」と、親や先輩から言われてきた。まだ2年なのに辞めたいと思う自分を、情けなく感じる。
言われてきた言葉と今の気持ちの間で迷うのは、あなたが弱いからではありません。まだ3年たっていないというだけで、自分を責めなくて大丈夫です。
この記事では、3年以内に辞める人の割合を見たうえで、今の会社から持って出るものがあるかを確かめるチェックをまとめます。
大卒で就職した人の3人に1人ほどは、3年以内に辞めている
厚生労働省の調査では、令和4年3月に大学を卒業して就職した人のうち、就職後3年以内に離職した人の割合は33.8%でした(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」)。
大卒で就職した人の3人に1人ほどが、3年以内に会社を辞めています。3年以内に辞めるのは、珍しいことではありません。
同じ調査で、大卒の3年以内離職率を事業所の規模別にみると、次のとおりでした(出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」)。
5人未満の事業所では、3年以内に辞めた人の割合が半分を超えています。計算の例として、5人未満の事業所の57.5%を、1,000人以上の事業所の27.0%で割ると、約2.1倍です。3年以内に辞める人の割合は、働く事業所の規模によっても大きく違います。
3年以内に辞めることがどれくらい当たり前かは、職場によって大きく違います。周りの言葉に合わせて年数を数えるより、あなたが今の会社で何を得られるかを見てください。
決め手は年数ではなく、今の会社から持って出るもの
転職するとき、職務経歴書に書くのは、在籍した年数と、その会社でしてきた仕事です。年数は、待てば増えます。けれど、してきた仕事の中身は、待つだけで増えるとは限りません。
たとえば、同じ仕事をくり返したまま3年目を迎えても、職務経歴書に書ける経験や実績が2年目と同じなら、待った1年で増えたのは年数だけです。反対に、あと半年で大きな仕事を任されるなら、その半年は、書ける経験や実績を増やす時間になります。
だから、「3年いるか、今辞めるか」で迷うより先に、「今の会社から何を持って出るか」を決めてください。持って出るものとは、会社を辞めたあとも、次の会社であなたの力として示せる経験や実績です。それが手に入る時期が、辞める時期を考える目安になります。
持って出るものがあるかを確かめるチェック
今の会社から持って出るものがあるかを、次の3つで確かめましょう。すでにあるものと、これから得る予定のものは、分けて書き出してください。
| 持って出るもの | すでにある | これから得る予定 |
|---|---|---|
| 数字で語れる実績 | 「担当した〇社の売上を、前年より〇%伸ばした」のように、成果を数字入りの1行で書ける | 任された仕事の結果が、決まった時期に数字で出る |
| 資格 | 応募したい求人に名前が出てくる資格を、もう取っている | 応募したい求人で必須の資格で、合格発表が半年以内にある(合格や必要な登録が済むまでは、取得済みとして扱わない) |
| 任された仕事 | 一人で担当した案件、後輩の指導、取引先の窓口など、「自分が責任者だった」と言える仕事がある | 来期から一人で任される案件が決まっている |
「すでにある」の列に1つでも当てはまるなら、持って出るものはもうあります。3年に満たないというだけで、待つ必要はありません。辞めるかどうかは、辞めたい理由が今の会社で解消できるかどうかで決めてください。
「すでにある」に当てはまらなくても、「これから得る予定」のものが半年以内(編集部の目安)に手に入るなら、その時期を期限にして、今の会社で経験や実績を積みましょう。期限が来ても手に入らなかったとき(試験に合格しなかった、任される話がなくなったなど)は、上司に次に任せてもらえる仕事を聞き、はっきりした答えがなければ、在職したまま転職活動を始めてください。
どちらの列にも当てはまらないなら、3年目まで待っても、持って出るものは増えにくいと考えてください。上司に「次に任せてもらえる仕事はありますか」と一度聞いてみましょう。任される仕事と時期がはっきり返ってきたら、その時期を期限に残りましょう。返ってこなければ、在職したまま転職活動を始めてください。
ただし、会社によっては、退職金などの条件が勤続年数で決まっていることがあります。3年の前後で条件が変わるなら、その日付も就業規則で確かめておきましょう。
想定の例で考える
以下は、判断の流れを見せるための想定の例です。
例:25歳・Webマーケティング、入社2年目。親に「3年は続けろ」と言われ、辞めたい気持ちを口に出せずにいる。 チェックすると、これまでの施策では先輩の補佐をしていて、売上などの数字はチーム全体の成果だった。資格はない。ただ、来月から1つの商品の広告運用を一人で任されることが決まっている。 → 補佐の経験も、自分が担当した作業と貢献を書き出し、チーム全体の成果と自分の担当範囲を分けて説明すれば、職務経歴書に書けます。ただ、自分が責任者として出した成果の数字は、まだありません。この人は、一人で任される広告運用の結果が数字で出るまで、半年を期限に残ります。期限の日に職務経歴書の実績を1行書いてみて、書ければ持って出るものがそろったと考えます。そのうえで、辞めたい理由が今の会社で解消できるかを見て、転職活動を始めるかを決めます。待つのは3年目ではなく、成果を書ける日です。
次の一歩は、職務経歴書に実績を1行書くこと
次の一歩は1つです。今週のうちに、職務経歴書の実績の欄を想定して、今の会社での成果を数字入りで1行書いてみてください。書けなければ、その1行に書ける実績を作ることが、今の会社でのこれからの目標になります。
いつ動くかまで決めたいときは、転職のタイミングは今か半年後かを確かめる方法で、待つ意味があるかを確かめられます。
参考にした統計・資料
- 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」
数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針