転職理由の本音は面接でどう言う?うそをつかずに伝える言い換え表
先に結論
転職理由は、本音のうち1つか2つを選び、「今の会社で起きた事実」と「次の会社で求めること」に分けて伝えましょう。求めることが応募先で本当に得られるかは、面接の逆質問で確かめてください。
この記事の目次
面接の練習をしていて、「転職を考えた理由を教えてください」のところで言葉に詰まる。本当の理由は、給料が上がらないことや、上司と合わないこと。そのまま言えば印象が悪くなりそうだし、「キャリアアップのため」と言い換えると、うそをついているようで落ち着かない。
この記事では、同じ年代の転職者が前の会社を辞めた理由と、職場(事業所)が転職者を採った理由を国の調査で確かめたうえで、本音をうそにせずに面接の言葉にする言い換え表をまとめます。
同じ年代の転職者が辞めた理由は、仕事内容と賃金が上位
厚生労働省が2026年9月25日に公表した「転職者実態調査」(令和7年)では、自分の都合で前の会社を辞めてフルタイムで入った転職者に、辞めた理由を3つまで聞いています。25〜29歳では、1位が「仕事内容への不満」で30.1%、2位が「賃金が低い」で29.5%でした。30〜34歳では、「賃金が低い」が1位です。「人間関係」を挙げた人も、25〜29歳で19.8%いました(正社員以外で働く人も含みます)※1。
給料・仕事内容・人間関係は、同じ年代の多くの人が実際に辞めた理由です。あなたの本音は、珍しい理由ではありません。
職場が転職者を採った理由は、即戦力と辞めた人の補充が上位
同じ調査で、転職者を採用した事業所に、その職種で採用した理由を3つまで聞くと、調査で分けている6つの職種のすべてで「経験を生かし、即戦力になる」が1位か2位に入っていました。事務や販売など4つの職種では、「辞めた人の補充」が1位です※2。
辞めた人の後任として採った人が、同じような理由ですぐに辞めれば、会社はまた採用をやり直すことになります。面接官が転職理由を聞いて確かめたいのは、同じ理由でまた辞めないかと、これまでの経験をどう生かすかの2つだと考えられます(編集部の見方)。
本音を裏返すと、「次の会社で求めること」を言葉にできます。転職理由は、「今の会社で起きた事実」と「次の会社で求めること」を1本の線でつなぎ、「生かせる経験」を1つ足して組み立てましょう。
今の会社では、(事実)です。(生かせる経験)を生かして、(次の会社で求めること)ができる環境で働きたいと考えています。
社内で試したことがあれば、事実に1文で添えてください。確かめたうえで辞めると決めたことが伝わります。
ハラスメントや会社の事情を話すときは、事実を1文で伝える
次のような理由は、うその前向きな理由に置き換えないでください。話すときは、事実を1文で短く伝え、すぐに次の会社で生かしたい経験の話に移りましょう。ほかにも本当の理由があれば、そちらを選んで話してもかまいません。
- 上司などの言動が、指導の範囲を超えていた
- 給与や残業代が、約束どおりに払われなかった
- 会社の倒産や事業の撤退、解雇があった
- 家族の転居や介護など、家庭の事情があった
こうした理由を「キャリアアップのため」と言い換えると、辞めた時期やいきさつを聞かれたときに、話が合わなくなることがあります。細かいいきさつは、聞かれない限り話さなくてかまいません。聞かれたら、相手の人柄ではなく、起きた出来事と、そのあとあなたがとった対応(上司の上司や窓口への相談など)を答えてください。
今もハラスメントや未払いが続いているなら、選考と並行して、社内外の相談窓口にも相談してください。
本音を面接の言葉にする言い換え表
次の表は、5つの軸(年収・通勤・裁量・上司・成長)に、労働時間と会社の将来性を足した7つの本音の言い換えです。言い方は例なので、事実の部分は、あなたに実際に起きたことに置き換えてください。
| 本音(軸) | 面接での言い方(事実→次の会社で求めること) | 逆質問で確かめること |
|---|---|---|
| 給料が上がらない(年収) | 「3年間、昇給の基準が示されず、月給はほぼ同じでした。成果が評価と給与につながる環境で働きたいと考えています」 | 評価の時期と、評価が昇給にどうつながるか |
| 通勤がつらい(通勤) | 「片道1時間半の通勤が続いています。通勤の負担を減らし、長く腰を据えて働きたいと考えています」 | 配属先で在宅勤務を使っている人がいるか。転勤はあるか |
| 任せてもらえない(裁量) | 「手順がすべて決まっていて、改善を提案しても試す場がありませんでした。提案から実行まで担当できる仕事がしたいと考えています」 | 入社後、どの範囲の仕事から任されるか |
| 上司と合わない(上司) | 「仕事の方向性を上司と話し合う場が、ほとんどありませんでした。定期的に相談しながら進められる環境で働きたいと考えています」 | 上司と1対1で話す場の回数と、上司が見ている部下の人数 |
| 同じ仕事ばかり(成長) | 「入社から4年、同じ〇〇の業務を担当してきました。この経験を土台に、△△にも取り組みたいと考えています」 | 入社1〜2年目の人が担当している仕事 |
| 残業が多すぎる(労働時間) | 「月40時間ほどの残業が1年続いていました。限られた時間で成果を出す働き方をしたいと考えています」 | 配属先の、1人あたりの月の残業時間 |
| 会社の先行きが不安(会社の将来性) | 「担当している〇〇事業の縮小が決まり、仕事が減っています。〇〇の経験を、これから伸ばす事業で生かしたいと考えています」 | この部署が、これから何に力を入れるか |
「事業の縮小が決まり」のような社内の決定は、社外に公表されていなければ、面接では話さず、「担当の仕事が減っています」のように、あなたの仕事に起きていることだけを話しましょう。
逆質問で聞くのは、あなたが言い換えた「次の会社で求めること」が、応募先で本当に得られるかです。確かめずに入社すると、同じ本音でまた辞めたくなるかもしれません。
表を使うときは、次の3つを守ってください。
- 本音と関係のない理由を作らない:「キャリアアップのため」とだけ話すと、「今の会社ではなぜできないのですか」と聞かれたときに答えが続きません。
- 人ではなく、出来事と仕組みを話す:「上司が細かい人で」ではなく、「資料はすべて上司の確認が終わるまで出せませんでした」のように話しましょう。
- 話す本音は1つか2つに絞る:次の会社で一番解消したいものを選んでください。
「なんとなく疲れた」のように、裏返しても次の会社で何を求めるかが言えない本音は、転職しなくても社内で解決できる不満かもしれません。応募を進める前に、辞めたい理由を5つの軸で整理する方法で、社内で解決できる不満か、転職したほうが早い不満かを仕分けてください。
例:本音が3つある28歳の法人営業の場合
以下は、伝え方を見せるための想定の例です。
28歳・法人営業。本音は、給料が上がらないこと、上司の詰め方がきついこと、同じ既存客を回るだけの仕事の3つ。 2年続けて目標を達成したが、月給はほぼ変わらず、上司に昇給の条件を聞いても答えはなかった。 → この人は、面接で話す本音を給料の1つに絞ります。「目標を2年続けて達成しましたが、上司に聞いても昇給の条件は示されませんでした。提案営業の経験を、成果が評価と給与につながる環境で生かしたいと考えています」と伝え、逆質問で評価と昇給のつながりを聞きます。
次の一歩は、面接で話す本音を1行ずつ書き出すこと
今週のうちに、紙1枚に辞めたい理由をすべて書き出してください。その中から、次の会社で一番解消したい本音を1つ選び、「事実」「生かせる経験」「次の会社で求めること」を1行ずつ書きましょう。書いたら声に出して読み、1分ほどで話し終わるかを確かめてください。
逆質問で聞いた答えは、まだ「面接で聞いた話」です。内定が出たら、労働条件の書面でも確かめてください。
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