3月末に退職するならいつ言う?就業規則から逆算する申し出の日
先に結論
民法では、期間の定めのない雇用は申し入れから2週間で終わりますが、引き継ぎと有給休暇の日程を会社ともめずに決めるなら、就業規則の申し出の期限に合わせるのが無難です。3月31日に辞めるなら、就業規則の期限の日と、有給休暇と引き継ぎから逆算した日の、早いほうまでに上司へ伝えましょう。
この記事の目次
年末が近づき、今年のうちに「3月末で辞める」と決めた。けれど、上司に伝えるのは年明けか、2月か、それとも3月に入ってからか。早すぎると居づらくなりそうで、遅すぎると引き継ぎも有給休暇も間に合わないかもしれません。
迷う原因は、「いつまでに言えばよいか」の答えが複数あることです。法律では2週間、会社の規則では1か月や2か月と書いてあることがあります。
この記事では、3月31日に退職する人が、就業規則から逆算して上司に伝える日を決める方法を、2027年の暦で日付を出してまとめます。
民法の期限は3月17日。それでも合わせるのは就業規則の期限
民法第627条第1項では、期間を定めずに雇われている人は、いつでも解約を申し入れることができ、雇用は申し入れの日から2週間を経過すると終わると定められています※1。2027年の3月31日(水)に辞めるなら、2週間前にあたる3月17日(水)に伝えれば、法律上は間に合います。
ただ、退職に関する事項は、常時10人以上の労働者を使う会社が就業規則に書くことになっています※2。そこに「退職の1か月前までに申し出ること」のような期限を書いている会社があります。期間の定めのない雇用で、就業規則の期限が法律の2週間より長いとき、どちらに従うかは、会社の規則や事情で争いになることがあります。それでも就業規則の期限に合わせておくのは、会社ともめずに、引き継ぎと有給休暇の日程を決めやすくするためです(個別の判断は、労働局の総合労働相談コーナーや弁護士に確かめてください)。
つまり、3月末退職の「いつ言う」は、次の2つのうち、早いほうで決まります。
- 就業規則の期限(退職日の何日前・何か月前まで)
- 自分で決める、引き継ぎと有給休暇に必要な日数から逆算した日
2027年3月31日退職の逆算表を使う
就業規則の「退職の申し出」の条文を開き、期限の書き方を次の表に当てはめてください。2027年3月31日(水)に退職する場合の、申し出の最終日の目安です。
| 就業規則の期限 | 申し出の最終日の目安 | 曜日の注意 |
|---|---|---|
| 2週間前(民法と同じ) | 3月17日(水) | 平日なので、そのままでよい |
| 1か月前 | 2月末(2月28日) | 日曜なので、実際は2月26日(金) |
| 2か月前 | 1月末(1月31日) | 日曜なので、実際は1月29日(金) |
| 3か月前 | 12月末(12月31日) | 木曜。年末年始の休みに入る会社が多く、仕事納めの日が実質の最終日。仕事納めがもう済んだ会社もある |
「1か月前」のような書き方は、申し出の日と退職日をどう数えるかで、1日ずれることがあります。日付に余裕がない場合は、人事や総務に「3月31日に退職するなら、いつまでの申し出が必要か」を聞きましょう。
3か月前などの期限にすでに間に合わない人は、早めに人事や総務へ「3月31日に退職したい」と相談してください。期間の定めのない雇用なら、民法では2週間前までの申し入れで退職できると定められています。ただ、就業規則の期限とどちらに従うかは争いになることがあるので、引き継ぎと有給休暇の日程も含めて、会社と話して決めてください。契約期間が決まっている有期契約の人は、期間の途中で辞められるかが契約の内容などで変わり、別の扱いになります。
次に、有給休暇を使う場合は、最終出社日を決めます。有給休暇を使っている間も、退職日までは在籍しているので、就業規則の期限は退職日の3月31日から数えます。最終出社日は、有給休暇を3月31日から逆に数えて決めます。
2027年3月は、土日と祝日(3月22日(月)が春分の日の振替休日)を会社の休みとすると、出勤日は22日あります※3。使う有給休暇が次の日数のとき、最終出社日は次のとおりです。
| 使う有給休暇の日数 | 最終出社日 | 有給休暇が始まる日 |
|---|---|---|
| 5日 | 3月24日(水) | 3月25日(木) |
| 12日 | 3月12日(金) | 3月15日(月) |
| 20日 | 3月2日(火) | 3月3日(水) |
12日の行は、労働者1人あたりの年間の平均取得日数(12.1日)に近く、平均的に使う日数の目安です※4。自分の残りの日数は、給与明細か、会社の勤怠システムで確かめましょう。
申し出る日は「規則の期限」と「引き継ぎの開始日」の早いほう
最終出社日が決まったら、そこから引き継ぎに必要な期間をさかのぼります。引き継ぎの期間は、担当している業務の数と、後任が決まっているかで変わります。担当業務を書き出して、引き継ぐ相手に教える日数を足し、自分で見積もってください。
引き継ぎに4週間かかるなら、最終出社日の28日前が、引き継ぎを始める日です。最終出社日が3月12日(金)なら、2月12日(金)です。申し出は、引き継ぎを始める前に済ませる必要があります。
そのうえで、就業規則の期限と比べます。
- 就業規則の期限のほうが早いとき:就業規則の期限までに申し出る
- 引き継ぎの開始日のほうが早いとき:引き継ぎの開始日までに申し出る
ただし、期限ぎりぎりに伝えるのは避けましょう。期限の1週間前までに伝えておくと、上司が後任を考える時間も取れ、退職日の話し合いがこじれにくくなります。
有給休暇を全部使えるかどうかは、会社との日程の調整も絡みます。使う日は、引き継ぎの予定とあわせて上司と決めましょう。
退職前の有給休暇の使い方は、4月入社の準備や、引き継ぎの伝え方と重なる部分があります。ここでは、申し出の日を決めることだけを扱います。
逆算の表が当てはまらない人
次に当てはまる人は、表のとおりにはなりません。
- 契約期間が決まっている有期契約の人:期間の途中で辞められるかは、契約の内容や、やむを得ない事由があるかで変わります。更新の時期と、契約書の条文を確かめてください
- 就業規則がない、または見られない人:労働条件通知書と、会社の人事や総務への確認を先にしてください
- 4月1日に有給休暇が新しく付く会社の人:3月31日に辞めると、新年度の分は付きません。付与日を就業規則で確かめてください
- 上司や会社が退職を認めない、退職届を受け取らないといった問題がある人:話し合いを重ねる前に、都道府県労働局や労働基準監督署の総合労働相談コーナー(無料・予約不要)に相談してください
日付を出した例と、年末年始の休みのうちにする次の一歩
以下は、想定の例です。
例:28歳・経理。3月31日に退職する。就業規則には「退職の2か月前までに申し出ること」とある。有給休暇は12日残っていて、引き継ぎには4週間かかる見込み。
→ この人は、有給休暇12日の最終出社日を3月12日(金)、引き継ぎの開始日を2月12日(金)と出します。就業規則の期限は1月末(1月31日は日曜なので1月29日(金))で、引き継ぎの開始日より早く来るため、こちらに合わせます。1週間の余裕を見て、期限の1週間前の1月22日(金)までに上司へ伝えます。
休みのうちに、会社のイントラネットか共有フォルダで、就業規則の「退職」の条文を開き、申し出の期限の書き方を確かめてください。あわせて、有給休暇の残りの日数と、担当業務の一覧も書き出しておきましょう。就業規則の期限・有給休暇の残り・業務の一覧がそろえば、逆算表と、有給休暇の日数から最終出社日を出す表で、自分の申し出る日が出せます。
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