転職の2月入社・3月入社
退職月で変わる住民税の払い方と段取り
先に結論
1月から4月に辞めると、退職月の翌月から5月までの住民税が、最後の給与から一括で引かれることがあります(地方税法)。2月入社で、内定が入社の約48日前の12月中旬(マイナビの調査の平均)に出たら、退職前に、新しい会社で天引きを続けたいと両方の会社に伝えましょう。
この記事の目次
年内に内定が出て、入社は2月か3月。冬のボーナスも受け取れそうで、年末年始は引き継ぎの準備に使えそうです。
ただ、退職日を1月や2月に置くと、住民税がどうなるのかが分かりません。最後の給与の手取りが大きく減ると聞いたことはあっても、いくら引かれるのか、避けられるのかは調べても出てきません。
この記事では、2月・3月に入社する人が、内定と退職の申し出をいつまでに済ませるかと、退職月によって住民税がどう変わるかをまとめます。
2月入社の内定は12月中旬、3月入社は1月中旬が目安
マイナビが2025年に転職した正社員に聞いた調査では、在職中に転職した人の、内定から入社までは平均48.5日、内定から前の会社を辞めるまでは平均38.5日でした。辞めてから入社するまでの空き(離職期間)の平均は10.0日です※1。
48日を引いて入社日から逆算すると、内定を受ける日の目安は次のとおりです(編集部の計算)。
| 入社日(2027年) | 内定の目安 | 退職日の置き方 | 退職の申し出 |
|---|---|---|---|
| 2月1日(月) | 12月15日ごろ | 1月31日 | 就業規則の期限までに。1カ月前なら12月31日まで |
| 3月1日(月) | 1月12日ごろ | 2月28日 | 就業規則の期限までに。1カ月前なら1月28日まで |
民法では、期間を決めずに雇われている人は、退職を申し入れた日から2週間で辞められます※2。ただし、会社の就業規則に「1カ月前まで」などと決めている会社もあります。年末年始の休みをはさむ2月入社は、申し出の日が休みに重ならないかも含めて、就業規則で期限を確かめてください。
冬のボーナスは、2月入社でも3月入社でも、多くの会社では12月の支給日に在籍したまま受け取れます。厚生労働省の統計では、2025年の年末賞与を出した事業所は76.5%で、出した事業所の平均は、毎月決まって支給される給与の1.08カ月分でした※3。1月入社と4月入社の段取りは、それぞれ別の記事にまとめています。この記事では、1月・2月に辞める人の住民税に絞ります。
1月から4月に辞めると、住民税の残りが最後の給与から一括で引かれる
会社員の住民税は、前の年の所得をもとに決まり、6月から翌年5月までの12回に分けて給与から引かれます。毎月引かれる額(月割額)は、給与明細の住民税の欄で確かめられます。
地方税法では、1月1日から4月30日の間に給与をもらわなくなった場合、その年の5月31日までに支払われる給与や退職手当が、退職の翌月から5月までの月割額を合わせた額(残りの月数分の合計)を超えるときは、その合計を、最後の給与などから一括で引くとされています※4。6月から12月に辞める場合は、本人が申し出たときに限って一括で引きます。1月から4月は、申し出がなくても一括になる点が違います。
月割額に、残る月数を掛けると、一括で引かれる額が分かります。
| 退職月 | 入社月 | 一括の対象になる月数 | 引かれる額 |
|---|---|---|---|
| 1月末 | 2月 | 2月・3月・4月・5月の4カ月分 | 月割額 × 4 |
| 2月末 | 3月 | 3月・4月・5月の3カ月分 | 月割額 × 3 |
月割額が2万円なら、1月末の退職で8万円、2月末の退職で6万円です。最後の給与の手取りは、その分だけ少なくなります。新しい会社の最初の給与が出るまでの生活費を、前の会社の最後の給与でまかなう人は、この額を引いた手取りで計画してください。
最後の給与などの額が残りの月数分の合計以下なら、一括にはならず、残りは納付書で自分で納めます。残りの月数分の合計を超えるときだけ一括になります※5。
新しい会社で天引きを続けたいなら、退職の翌月10日までに
一括を避けて、新しい会社の給与から引き続き引いてもらう方法もあります。地方税法では、新しく給与を払う会社を通じて、前の会社をやめた月の翌月10日までに申し出ると、市区町村は新しい会社を特別徴収義務者に指定して、残りを引かせるとされています。退職が4月中なら、期限は同じ月の30日です※6。
1月末に辞めて2月1日に入社するなら、期限は2月10日です。2月末に辞めて3月1日に入社するなら、期限は3月10日です。実際の手続きは、前の会社が「給与所得者異動届出書」を出し、新しい会社が切り替えの書類を出す形が多く、書類の名前は市区町村によって違います※7。
払う総額は、一括でも天引きの継続でも同じです。違いは引かれる時期で、継続なら退職月の手取りが減らず、入社後の給与から月割額が引かれます。
入社日が退職の翌月10日より後になるときは、この申し出に間に合いません。マイナビの調査の離職期間は平均10.0日で、退職の翌月1日の入社なら間に合います。退職日が1月末で入社が2月末のように間が空くなら、最後の給与で残りの月数分の合計を引ききれれば一括になり、足りなければ残りは納付書で自分で納めます。納付書の扱いは、市区町村に確かめてください。
継続できるかどうかは、市区町村の扱いや会社の事務の都合で変わります。退職を申し出るときに、前の会社の給与担当へ「次の会社で住民税の天引きを続けたい」と伝え、新しい会社には、入社の手続きの書類を受け取る時点で同じことを伝えましょう。個別の判断は、住んでいる市区町村の住民税の窓口に確かめてください。
当てはまらない人と、1月末に辞めて2月1日に入社する場面(例)
- 入社が退職の翌月10日より後になる人:入社が退職の翌月10日より後になるので、継続の申し出は間に合いません。最後の給与で引ききれれば一括、足りなければ残りは納付書になります。扱いは市区町村に確かめてください。
- 冬のボーナスの支給日より前に退職を申し出る人:会社の規則で、支給日に在籍していることや、申し出の時期が条件になっていることがあります。支給日が1月以降の会社では、退職日が支給日より前になることもあります。就業規則で確かめてください。
- 最後の給与が残りの月数分の合計に届かない人:残りが納付書になります。納付書が届く時期と回数は、市区町村で確かめてください。
以下は、想定の例です。日付は、2027年2月1日(月)に入社する場合で考えています。
例:31歳・経理。12月15日(火)に内定を承諾し、入社日は2月1日に決まった。就業規則では退職は1カ月前までに申し出る。給与明細の住民税は、毎月2万2千円。冬のボーナスは12月10日に支給済み。
→ この人は、12月16日に上司へ1月31日付の退職を申し出ます。一括で引かれるなら、額は2万2千円の4カ月分で8万8千円です。そのため、前の会社の給与担当に、住民税の天引きを新しい会社で続けたいと伝えます。新しい会社には、入社の書類を出すときに同じことを伝えます。申し出の期限は2月10日です。
次の一歩は、給与明細で住民税の額を確かめること
今週のうちに、直近の給与明細で住民税の額を確かめてください。その額に、表の月数を掛ければ、退職月ごとに一括で引かれる額が分かります。
退職後の健康保険や年金を含む手続きと、払うお金の全体は、退職後の健康保険・年金・住民税で確かめられます。
出典・注記(7件)
※1 マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)」在職中に転職した転職者 n=1,075 ↩
※2 民法第627条第1項 ↩
※3 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和8年2月分結果速報等」2025年年末賞与 表2。調査産業計、事業所規模5人以上 ↩
※4 地方税法第321条の5第2項 ↩
※5 地方税法第321条の5第2項、第321条の7 ↩
※6 地方税法第321条の4第5項 ↩
※7 足立区「給与所得者異動届出書」、2026年10月25日に確認 ↩
数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針
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