退職後の健康保険・年金・住民税
次の会社までの手続きと払うお金
先に結論
次の会社まで間が空くなら、国民年金は退職日の翌日から14日以内に手続きし、健康保険は国民健康保険(14日以内)・任意継続(20日以内)・家族の扶養から1つを選んで手続きしましょう。払うお金は「間に入る月末の数×(健康保険料+国民年金保険料)」に、住民税を足して数えてください。
この記事の目次
次の会社の入社日が決まった。けれど、今の会社の退職日から入社日まで、1カ月ほど間が空く。あるいは、辞めてから次を探すつもりで、間がどれくらいになるかまだ分からない。
この記事では、次の会社まで間が空くときの健康保険・年金・住民税の手続きと期限、出ていくお金を自分の数字で数える手順をまとめます。
厚生労働省が、2024年10月〜2025年9月にフルタイムで採用された転職者に聞いた調査では、前の会社を自己都合で辞めた人の73.8%に、次の会社に入るまでの間がありました※1。間が空くのは珍しいことではありません。
手続きは、退職日の翌日から14日・20日の期限内に済ませる
退職日の翌日に次の会社に入る人は、市区町村での手続きはいりません※2。住民税だけは、前の会社と次の会社に、天引きを続けたいと伝えましょう。前の会社から給与を受けなくなった月の翌月10日(4月に辞めた場合は4月30日)までに、次の会社を通じて申し出れば、次の会社の給与から天引きを続けてもらえるとされています※3。
間が空く人は、数日でも次の表の手続きを自分でしてください※4。健康保険は、国民健康保険・任意継続・家族の扶養から1つを選びます。
| 手続き | 期限 | 出す先 |
|---|---|---|
| 国民年金に入る(第1号被保険者) | 退職日の翌日から14日以内 | 住所地の市区町村 |
| 国民健康保険に入る | 資格を得た日(退職日の翌日)から14日以内 | 住所地の市区町村 |
| 任意継続に入る | 退職日の翌日から20日以内(20日目が土日・祝日なら翌営業日。郵送は20日以内に必着) | 住んでいる都道府県の協会けんぽ支部(健康保険組合に入っていた人は組合) |
| 家族の健康保険の扶養に入る | 家族の勤め先が、扶養に入る事実が起きてから5日以内に届け出る | 家族の勤め先 |
当てはまらない人・先に確かめたい人
- 倒産や解雇、雇い止めなどで辞めた人と、体調不良や家族の介護などで辞めて「正当な理由のある自己都合」とハローワークで判断された人(特定受給資格者・特定理由離職者):国民健康保険の保険料(税)を、前年の給与所得を100分の30として計算する仕組みがあります(離職日の翌日が属する年度の翌年度末まで)。対象になるかは、失業給付(雇用保険の基本手当)の手続きのあとにハローワークで受け取る雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)の「離職理由」の番号(11・12・21・22・23・31〜34)で決まるので、それを持って市区町村で確かめてください※6
- 次の会社に入ったあとの人:国民健康保険をやめる届け出も、14日以内に市区町村に出してください。任意継続に入っていた人は、協会けんぽの支部に資格喪失の申出書を出してください※7
払うお金は、間に入る「月末」の数から数える
年金と健康保険の保険料は、日割りではなく月単位でかかります。その月の末日にどの制度に入っているかで、その月の払い先が決まります※4。
次の表に、自分の数字を当てはめてください。
| 項目 | 数え方 |
|---|---|
| 間の月数 | 退職日の翌日から入社日の前日までに入る、月の末日の数 |
| 健康保険 | 任意継続(給与明細の健康保険料×2、上限あり)と、国民健康保険の試算の安いほう×間の月数。家族の扶養に入れるなら0円 |
| 国民年金 | 1万7,920円(2026年度)×間の月数。配偶者の扶養に入り第3号被保険者になるなら0円。免除が承認されればその分は減る |
| 住民税 | 残りは月割額×(辞めた月の翌月から5月までの月数。5月に辞めた人は0)。間に新しい年度の納期が来るなら、納期1回につき月割額×3も足す |
| 合計 | 健康保険+国民年金+住民税 |
健康保険の額は、次のように確かめてください。
- 任意継続:退職日までに続けて2カ月以上健康保険に入っていた人が入れます。保険料は給与明細の健康保険料の約2倍で、協会けんぽでは2026年度は標準報酬月額32万円で頭打ちになります。健康保険組合の人は、組合に額を確かめてください。同じ月のうちに入ってやめても、1カ月分の保険料がかかります。初めての保険料を納付期限までに払わないと、任意継続に入らなかったものとみなされます。2回目からも、期限までに払わないと資格を失います
- 国民健康保険:額は住む市区町村で変わります。市区町村の窓口で前年の所得が分かるもの(源泉徴収票など)を見せて試算を頼み、月の数え方も確かめてください
- 家族の扶養:年収130万円未満の見込みなどが条件です。失業給付を受け取るつもりの人は、家族の勤め先に扱いを確かめてください
国民年金は、厚生年金に入っている配偶者の扶養に入る人なら第3号被保険者になり、保険料を納める必要はありません。失業給付を受けるときは、配偶者の勤め先に扱いを確かめてください。親の健康保険の扶養に入る人は、保険料を自分で納めます※10。
払うのが難しいときは、「失業等による特例免除」を申請しましょう。親が世帯主の世帯に住んでいる人は、親の所得によっては免除が通らないことがあります。その場合も、50歳未満なら本人と配偶者の所得で審査する納付猶予を受けられることがあるので、申請しましょう※11。
住民税の月割額は、5月31日までに会社を通じて届く「特別徴収税額の通知」に書かれています※12。表の式は、辞めた月の分まで住民税が給与から引かれる前提です。そうなるかを給与明細か会社で確かめてください。
残りの住民税は、1月〜4月に辞めると最後の給与や退職金からまとめて引かれ、6月〜12月に辞めると申し出ればまとめて引いてもらえます(どちらも、5月31日までに払われる給与などが残りより多い場合)。給与などが残りより少ないときや、6月〜12月に辞めて申し出ないときは、納付書で自分で納めます(普通徴収)。5月に辞めると、6月からの新しい年度の分を普通徴収で納めます※13。
新しい年度の分は、納付書で6月・8月・10月・翌年1月の4回に納めるのが一般的なので、1回を今の月割額の3カ月分と見込んでください(前の年の所得が今と同じくらいという仮定。5月に辞める人は、新しい年度の通知があればその月割額で)※14。間が4月1日をまたぐ人などは、入社後も新しい年度の納付書が届くことがあるので、次の会社で引いてもらえるかを確かめてください。
まとめて引かれる人は手取りがその分減るので、健康保険と国民年金の分を別に用意しましょう。普通徴収になる人や、間に新しい年度の納期が来る人は、その住民税も合わせた額を、最後の給与が出る前に用意しましょう。
想定の例で数える
例:27歳・東京都・協会けんぽ・標準報酬月額28万円。1月31日に辞めて、3月1日に次の会社に入る。住民税の月割額は1万2,000円(例)。
間に入る月末は2月末だけで1カ月です。任意継続なら2万8,224円、国民年金は1万7,920円です。住民税は、2月から5月までの4カ月分、4万8,000円が最後の給与などからまとめて引かれます。合計は9万4,144円です(計算の例)※15。
→ この人は、最後の給与の手取りが住民税の分だけ減ると見込み、2月分の健康保険と年金の4万6,144円を別に取っておきます。
次の一歩は、3つの数字を書き出すこと
退職日を会社に伝える前に、次の3つを書き出し、表に当てはめてください。
- 給与明細の健康保険料(子ども・子育て支援金が別の行なら、それも足した額)
- 今年の住民税の通知に書かれた月割額
- 退職日の翌日から入社日の前日までに入る月末の数
辞める時期を迷っているなら、転職のタイミングは今か半年後かも読んでみてください。
出典・注記(15件)
※1 厚生労働省「令和7年転職者実態調査」個人調査 第28表 ↩
※2 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」、国民健康保険法第6条 ↩
※3 地方税法第321条の4第5項 ↩
※4 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」 ↩1 ↩2
※5 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」ほか、国民健康保険法施行規則第3条、協会けんぽ「任意継続」 ↩
※6 国民健康保険法施行令第29条の7の2、厚生労働省の資料、厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」Q22、ハローワーク「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」、墨田区「非自発的失業者の国民健康保険料軽減について」 ↩
※7 厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」、協会けんぽ「任意継続」 ↩
※8 日本年金機構「国民年金保険料」 ↩
※9 協会けんぽ「任意継続」「よくあるご質問」「令和8年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限について」、厚生労働省「国民健康保険の保険料・保険税について」、日本年金機構「被扶養者に異動があったときの手続き」 ↩
※10 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」「被扶養者に異動があったときの手続き」「国民年金第3号被保険者関係届」 ↩
※11 日本年金機構「転職をご検討中の方へ」「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」 ↩
※12 地方税法第321条の4、総務省「個人住民税」 ↩
※13 地方税法第321条の3・第321条の5・第321条の7 ↩
※14 地方税法第320条 ↩
※15 協会けんぽ東京支部「令和8年度保険料額表」 ↩
数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針
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