書類選考が通らないとき
職種ごとの採用理由で、書類の先頭を直す
先に結論
応募した職種で多くの会社が転職者を採った理由を確かめ、それに当たる経験を、職務経歴書の最初の数行(職務要約)に移しましょう。事務・販売・サービスの求人なら、求人票の仕事内容に当たる経験の量・期間・範囲を先に書き、専門・技術職なら、使った技術と年数を先に書いてください。
この記事の目次
5社に応募して、5社とも書類で落ちた。届いたメールには、落ちた理由が書いていない。職務経歴書は本やサイトを見て整えたつもりなのに、どこが悪いのか分からず、次の応募のボタンを押す手が止まっている。
この記事では、転職できた人がどれだけ書類選考に苦労したかと、会社が職種ごとにどんな理由で転職者を採ったかを調査で確かめたうえで、応募する職種に合わせて職務経歴書の最初の数行を入れ替える表と手順をまとめます。
転職できた人でも、3人に1人は書類選考を難しかったと答えている
マイナビが、2025年に転職した20〜50代の正社員に聞いた調査では、書類選考を「難しかった」「どちらかといえば難しかった」と答えた人は合わせて34.7%で、「簡単だった」側の30.8%を上回りました※1。
最後には転職できた人でも、3人に1人は書類の段階で苦労しています。書類で苦労するのは、珍しいことではありません。
落ちたあとの直し方として、誤字をなくす、実績を数字で書く、といったことは多くの記事に書いてあります。この記事では、その手前にある「会社がその職種で転職者を採る理由」から見直します。
会社が転職者を採った理由は、職種によって1位が違う
厚生労働省が2026年9月25日に公表した「転職者実態調査」(令和7年)では、転職者を採用した職場(事業所)に、職種ごとに、転職者を採用した理由を3つまで聞いています。主な4つの職種で、「辞めた人の補充」と「即戦力」の2つを並べると次のとおりです※2。
| 職種 | 辞めた人の補充 | 経験を生かし、即戦力になる |
|---|---|---|
| 専門的・技術的な仕事(システムエンジニアなど) | 44.3% | 64.1% |
| 事務的な仕事 | 51.8% | 41.5% |
| 販売の仕事(店頭の販売や、営業のような取引の交渉・受注など) | 54.6% | 52.9% |
| サービスの仕事 | 60.8% | 41.7% |
事務・販売・サービスの仕事では、「辞めた人の補充」が1位でした。生産工程や運搬などの仕事も同じです。この3つの職種の3位は「職場への適応力がある」(事務36.5%・販売35.3%・サービス31.6%)です。専門的・技術的な仕事と管理の仕事では、「即戦力」が1位で、「専門知識・能力がある」が2位に入っています(専門的・技術的な仕事で51.2%)。
ただし、働く事業所(拠点)の規模で1位は入れ替わります。販売の仕事は100人以上の事業所で、事務とサービスの仕事も1,000人以上の事業所では、「即戦力」が1位です。どちらが1位でも、職務要約の先頭に、求人票の仕事内容に当たる経験を置くことは変わりません。大きな事業所の求人ほど、経験の量や期間に続けて、その仕事で出した成果の数字も添えましょう(編集部の見方)。
「辞めた人の補充」は、求人を出した理由で、応募者のどこを見て選ぶかを聞いた数字ではありません。それでも、辞めた人の補充で出す求人では、求人票の仕事内容は、前にその席にいた人がしていた仕事に近いと考えられます。読む人がまず知りたいのは、その仕事を入ってすぐ同じように回せるかです。専門・技術職の求人では、どの技術を何年使ってきたかが先に見られます(編集部の見方)。
職務経歴書の最初の数行に、求人と関係の薄い実績が並んでいると、書類の出来がよくても、読む人はこの求人に当たる人かどうかを判断しにくくなります(編集部の見方)。
書類を全体に磨き直す前に、応募した職種で1位の理由に当たる経験を、最初の数行に移しましょう。
応募する職種ごとに、職務要約の先頭に置くことを決める表
職務要約は、職務経歴書の最初に置く3〜5行のまとめです。次の表で、応募する職種の行を見てください。
| 応募する職種 | 多くの事業所が挙げた理由の1位 | 職務要約の先頭に置くこと | 求人票で照らす場所 |
|---|---|---|---|
| 事務 | 辞めた人の補充(1,000人以上の事業所では即戦力) | 求人票の仕事内容と同じ仕事を、どれだけの量と期間してきたか | 「仕事内容」の行 |
| 販売・営業 | 辞めた人の補充(100人以上の事業所では即戦力) | 扱った商材やお客さんの種類と、担当した数や範囲 | 「仕事内容」と「必須」の行 |
| サービス | 辞めた人の補充(1,000人以上の事業所では即戦力) | 同じ形の仕事(店舗・施設・窓口など)をした期間と、任された範囲 | 「仕事内容」と勤務の形 |
| 専門・技術 | 即戦力(2位は専門知識) | 使った技術・道具・資格の名前と、使った年数 | 「必須」と「歓迎」の行 |
販売・営業では、即戦力も52.9%で、1位とほぼ並びます。担当した数や範囲のあとに、成果の数字があれば添えましょう。専門・技術職では、即戦力と専門知識がどちらも5割を超えるので、技術の名前と年数に続けて、その技術でどこからどこまでを担当したかも書いてください。
表は、次の3つの手順で使ってください。
- 落ちた求人を、表の職種に当てはめる:営業の求人は「販売・営業」の行で見ます。
- 求人票の行ごとに、書類の当たる行へ印を付ける:「仕事内容」と「必須」を1行ずつ読み、あなたの職務経歴書で当たる行に印を付けます。仕事の名前が違っても、相手・量・使う道具が同じなら、当たる行として扱ってかまいません。印の付いた行が職務要約に無ければ、上へ移してください。
- 事実の範囲で、求人票と同じ言葉にそろえる:社内で「受注処理」と呼んでいても、求人票が「受発注業務」なら、そちらの言葉で書きましょう。していない仕事は書き足さないでください。
印を付けても、どの行が当たるのか判断がつかないときは、転職エージェントの面談で、求人票と書類を並べて見てもらいましょう。
次の人は、表を使う前に確かめてください。
まだ1〜2社しか落ちていない人:1〜2社の結果だけでは、書類のずれなのか、その会社の事情(応募が多かった、社内の人で決まった)なのかを見分けにくいです。同じ職種の求人に何社か出してから、まとめて見直しましょう。
経験の無い職種ばかりに応募している人:同じマイナビの調査で、書類選考を難しかったと答えた人は、業種も職種も同じところへ移った人では31.1%でした。業種だけを変えた人は39.4%、職種だけを変えた人は41.2%、業種も職種も変えた人は36.7%で、どれも同じところへ移った人より多くなっています(人数の少ない組もあるので目安です)※3。経験の無い職種では、職務要約を入れ替えても、「必須」に当たる行が見つからないことがあります。どの行も「必須」に当たらないなら、書き方より応募先を見直してください。当たる行がある求人から先に応募するか、今の会社でその経験を積めるかを確かめましょう。
例:事務の求人に続けて落ちた29歳の営業事務の場合
以下は、表の使い方を見せるための想定の例です。
29歳・営業事務を4年。ほかの会社の事務の求人4社と、Webマーケティングの求人1社に応募し、5社とも書類で落ちた。 職務要約の先頭には、「入力の手順を見直し、月の残業を10時間減らした」「新人2人の教育を担当」と書いていた。毎日の仕事は、営業5人分の受発注と請求書の作成で、月200件ほどある。 → この人は、事務の求人なので、職務要約の先頭を「営業5人分の受発注と請求書の作成(月200件ほど、4年)」に入れ替えます。手順の見直しと新人の教育は、その後ろに回します。Webマーケティングの求人は、「必須」に当たる行が1つも無かったので、次の応募先から外します。
次の一歩は、求人票1社分に印を付けること
今週のうちに、落ちた求人か、次に応募したい求人を1社選び、求人票の「仕事内容」と「必須」の行ごとに、職務経歴書の当たる行へ印を付けてください。印の付いた行が最初の数行に無ければ、上へ移してから次の応募を出しましょう。
職務経歴書に書く行そのものが足りないときは、職務経歴書に書くことがない人への記入表で、毎日の仕事を書き出すところから始めてください。
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