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企業型確定拠出年金は転職でどうなる?6カ月以内に移す先を決める

PR2026年版公開 2026.10.25転職指南 編集部

先に結論

企業型確定拠出年金のお金は、辞めて加入者の資格を失ってから6カ月以内に、転職先の企業型DCやiDeCoなどへ移さないと、自動で移されて運用が止まり、手数料が引かれていきます。転職先に企業型DCがない人や、加入が6カ月より後になる人は、自分でiDeCoへ移す手続きをしましょう。

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この記事の目次
  1. 辞めて6カ月以内に移さないと、お金は自動で移され、運用が止まる
  2. 資産が少ない人ほど、手数料で減る割合は大きい
  3. 転職先の制度で、移す先を決める表
  4. 例:転職先に企業型DCがない28歳の場合
  5. 次の一歩は、転職先に企業型DCがあるかを聞くこと

辞めると決めて退職の書類をそろえていたら、「企業型確定拠出年金」の文字が目に入った。入社のときに説明を受け、毎月の掛金は会社が出してくれていた。けれど、辞めたらそのお金がどうなるのか、何をすればいいのかは、聞いた覚えがない。

60歳まで引き出せないお金なら、急がなくてもいい気がする。転職先に慣れてから考えよう、と後回しにしたくなります。

この記事では、企業型確定拠出年金(企業型DC)のお金が転職でどうなるかを、厚生労働省と国民年金基金連合会の資料で確かめたうえで、転職先の制度ごとに移す先を決める表をまとめます。

辞めて6カ月以内に移さないと、お金は自動で移され、運用が止まる

企業型DCの加入者が、転職や退職で加入者の資格を失ったときは、6カ月以内に次のどれかをすることになっています※1。

  • iDeCo(個人型確定拠出年金)に移す
  • 転職先の企業型DCに移す
  • 転職先の確定給付企業年金や、企業年金連合会の通算企業年金に移す
  • 条件に当たる人は、脱退一時金を請求する

どれもしないまま6カ月がたつと、お金は国民年金基金連合会に自動で移されます。これを「自動移換」といいます。自動移換されたお金は運用されず、管理の手数料が引かれます。自動移換の間は、受け取りの条件になる加入の期間(通算加入者等期間)にも数えられません※1。

確定拠出年金のお金は、原則60歳から受け取れます。ただし、60歳の時点で通算加入者等期間が10年に満たないと、受け取り始められる年齢が、期間に応じて61〜65歳に遅れます※2。

勤続が3年未満で辞める人は、もう1つ確かめることがあります。会社の規約によっては、会社が出した掛金の一部か全部を会社に戻すことになり、移せる額が残高より少なくなります※3。辞める前に、今の会社の企業型DCの規約か、記録を管理する機関のサイトで、移せる額を確かめてください。

自動移換になっている人は、2025年3月末で、資産が0円の人を除いても778,086人(約78万人)いました※4。

資産が少ない人ほど、手数料で減る割合は大きい

自動移換になった人には、資産の少ない人が多くいます。資産が25万円以下(0円を除く)の人の割合は、自動移換になった人(資産0円の人を除く)で63.6%、手続きをして移した人(資産0円の人を含む)で25.9%でした※5。

一方で、自動移換の手数料は、資産の額にかかわらず同じです。国民年金基金連合会の案内では、自動移換されるときに4,348円、その後は自動移換された月の4カ月後の分から月98円が、年1回まとめて資産から引かれます※6。

手数料の額が今と変わらないとして、10年そのままにした場合を計算すると、手数料は合わせて15,716円です(編集部の計算。4,348円+98円×116カ月で、運用されなかった分は含みません)。資産に対する割合は、次のように変わります。

  • 資産100万円:約1.6%
  • 資産25万円:約6.3%
  • 資産10万円:約15.7%

資産が少ない人ほど、手数料で減る割合は大きくなります。

ただし、iDeCoに移しても、手数料はかかります。移すときに2,829円、その後は掛金を出さなくても月55〜66円ほどが、資産から引かれます(金融機関によっては、ほかの手数料もかかります)※7。月66円で、ほかの手数料が0円の金融機関なら、10年では10,749円で、自動移換との差は約5,000円です(編集部の計算)。手数料の差のほかに、自動移換の間はお金が運用されず、受け取り始められる年齢を決める加入の期間にも数えられないという不利もあります。

少ない額なら引き出して終わりにしたい、と考える人もいるでしょう。けれど、辞めたあとに脱退一時金を受け取れるのは、資産が15,000円以下で、資格を失ってから6カ月以内に請求する人か、iDeCoに加入できない人(国民年金の保険料の免除を受けている人など)に限られます。どちらも、ほかにも条件があります※2。

会社員として転職する人は、ふつうiDeCoに加入できる側に入ります。資産が15,000円を超えていれば、60歳まで引き出せず、6カ月以内に何もしないと、移す手続きをするか、企業型DCやiDeCoに加入するまで、運用されないまま手数料が引かれ続けます。資産の額にかかわらず、6カ月以内に移す先を決めて、手続きを済ませましょう。

転職先の制度で、移す先を決める表

辞めると、今の会社の企業型DCの記録を管理する機関が、移す手続きを説明し、資格を失ってから6カ月の間、移す手続きをするよう案内することになっています※8。手続きは、自分でするものです。案内を待たずに、転職先の制度を確かめ、次の表で移す先を決めてください。

転職先の制度・辞めたあと 移す先 6カ月以内にすること
企業型DCがあり、資格を失ってから6カ月以内に加入する 転職先の企業型DC 加入する日を転職先に確かめ、移す書類を渡されたら出す。出さなくても、加入が確かめられれば移す処理がされる
企業型DCはあるが、加入が6カ月より後になる、対象外、または加入しないことを選ぶ iDeCo 下の手順で、自分で移す
企業型DCがない(確定給付企業年金や退職金の制度だけ、または制度なし) iDeCo 下の手順で、自分で移す
次の会社が決まっていない・自営業になる・家族の扶養に入る iDeCo 下の手順で、自分で移す

資格を失ってから6カ月以内に、転職先の企業型DCやiDeCoに加入したことが確かめられた人は、申し出なしで移す処理がされる仕組みです※1。加入が6カ月より後になる人も、加入すれば、自動移換されたお金は申し出なしで、加入した制度へ移されます。ただ、加入までの間は運用されず、自動移換のときの4,348円、4カ月後の分からの月98円、移すときの手数料(550円。iDeCoへ移すときは、ほかに2,829円)も引かれます※9。

iDeCoに移すときは、次の順で進めます※10。

  1. 「運営管理機関一覧」に載っている、iDeCoを扱う金融機関から1つ選ぶ
  2. 辞めたあとに、今の会社の記録を管理する機関から資格を失ったことの通知が届いたら、それを手元に置いて、選んだ機関に「個人別管理資産移換依頼書(K-003)」を出す
  3. 掛金も出すなら「個人型年金加入申出書(K-001)」もあわせて出す。会社員で、掛金を会社から払い込んでもらう場合は、会社の証明書(K-109A)も要る

移すときは、持っている商品がいったん現金に替えられて移ります。移した先で、商品を選び直してください。金融機関ごとの手数料と選べる商品は違うので、選ぶときに比べましょう※11。

表のほかに、次の人は別の手も取れます。

  • 資産が15,000円以下で、企業型DCにもiDeCoにも入らない人:資格を失ってから6カ月以内なら、脱退一時金を請求できます
  • 転職先に確定給付企業年金がある人:その規約で受け入れていれば、そこへ移せます。企業年金連合会の通算企業年金も選べます

例:転職先に企業型DCがない28歳の場合

以下は、想定の例です。

28歳・法人営業。新卒から6年いた会社の企業型DCに、約30万円ある。12月末に辞め、1月に入社する転職先には、企業型DCがなく、退職金の制度だけがある。 → この人は、表の「企業型DCがない」に当たるので、iDeCoに移します。そのままにすると、6カ月後に自動移換で4,348円が引かれ、そのあとも年1,176円(月98円)ずつ引かれていきます。12月のうちに金融機関を1つ選び、辞めたあとに資格を失ったことの通知が届いたら、K-003を出します。掛金を出すかは、新しい会社の給与を見てから決めるので、まずは移すだけにします。

次の一歩は、転職先に企業型DCがあるかを聞くこと

今週のうちに、転職先の人事の担当者に、企業型DCがあるか、あれば入社後いつ加入するかを、メールで聞いてください。答えが分かれば、上の表で移す先が決まります。

入社の準備のため、確認させてください。御社に企業型確定拠出年金の制度はありますか。ある場合、私は加入の対象になりますか。入社後いつから加入となりますか。

企業型DCの有無を、ほかの条件と一緒に承諾の前に確かめたいなら、内定2社で迷ったらの、書面で比べる表と質問の文例が使えます。

出典・注記(11件)

※1 厚生労働省「離職・転職時等の年金資産の持ち運び(ポータビリティ)」 ↩1 ↩2 ↩3

※2 厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」 ↩1 ↩2

※3 確定拠出年金法第3条第3項第10号 ↩

※4 国民年金基金連合会「DC懇談会 第2回ヒアリング資料」2026年 7ページ「自動移換の現況」 ↩

※5 厚生労働省 社会保障審議会企業年金・個人年金部会「参考資料2」2024年 14ページ「移換資産額別の分布」令和5年3月末 ↩

※6 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」転職・退職された方へ「自動移換された方」 ↩

※7 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」よくあるご質問、厚生労働省 社会保障審議会企業年金・個人年金部会「参考資料2」2024年 8ページ ↩

※8 厚生労働省 社会保障審議会企業年金・個人年金部会「参考資料2」2024年 8ページ ↩

※9 国民年金基金連合会「自動移換にかかる手数料改定のお知らせ」2025年、「iDeCo公式サイト」転職・退職された方へ「自動移換された方」 ↩

※10 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」転職・退職された方へ、iDeCoを扱う金融機関の案内 ↩

※11 国民年金基金連合会「iDeCo公式サイト」よくあるご質問 ↩

数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針

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