転職エージェントは何社に登録する?2社の使い分けと併用の注意点
先に結論
転職すると決めたら、エージェントは2社から始め、1つの会社には1つの窓口からだけ応募しましょう(2社は編集部の見方)。厚生労働省の集計(速報)では、2024年度の事業報告を出した有料の職業紹介の事業所(会社ではなく事業所ごとの数で、医師や家政婦などの紹介所も含みます)のうち、1年間に就職の実績があったのは編集部の計算で45.6%と半分に満たないので、登録する前に国のサイトで紹介の実績を確かめましょう。
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転職すると決めて、転職エージェントの登録の画面を開いた。1社だけでは、紹介される求人が少ない気がする。けれど何社も登録すると電話やメールに追われそうで、同じ求人を別々の会社から紹介されたらどうすればいいのかも分からない。
この記事では、転職エージェントを何社に登録するかを国の集計と法律で確かめたうえで、登録する前に紹介の実績を確かめる方法と、2社を併用するときの応募の決まりをまとめます。
事業報告を出した有料の紹介事業所のうち、1年間に就職の実績があったのは半分に満たない
転職エージェントは、法律の上では「有料職業紹介事業者」で、国の許可を受けて仕事を紹介しています。厚生労働省の集計では、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の事業報告を出した有料職業紹介事業所は30,561で、そのうち就職の実績があったのは13,946でした※1。割合にすると45.6%です(編集部の計算)。
この数は、会社ではなく事業所(支店など)ごとに数えたもので、医師や看護師、家政婦などを紹介する事業所も含みます。それでも、紹介の許可を持つ事業所が、1年のうちに人を就職まで結びつけているとは限らないことが分かります。
紹介の実績は、外から確かめられます。有料職業紹介事業者は、紹介で就職した人の数や、そのうち辞めた人の数、手数料などの情報を出すことが法律で決まっています※2。その情報は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」に、事業所ごとに載っています※3。
登録する前に、国のサイトで2社の実績を確かめる
何社に登録するかより、実績を確かめた2社に同じことを聞いて比べるほうが、紹介の中身を見分けられます。1社だけでは、紹介される求人や年収の見立てが、その会社の得意な範囲に偏っていても気づけません。3社以上になると、面談と連絡が増え、同じ会社の求人が重なりやすくなります(編集部の見方)。2社から始め、紹介される求人が少ないときだけ3社目を足しましょう。
人材サービス総合サイトの「職業紹介事業検索」で、都道府県(全国も選べます)を選び、事業主名称の欄に運営会社の名前を入れて探すと、事業所ごとに許可の番号や紹介の実績が出ます。転職エージェントのサービスの名前と運営会社の名前は違うことがあるので、先にサービスのサイトで運営会社の名前か許可番号を確かめてください。名前で出ないときは、許可番号で探すか、全角と半角、カタカナと英字を変えて探し直してください。扱う職種の範囲は、紹介会社が求職者に示すことになっています※4。転職サイトに登録したあと、知らない紹介会社から連絡が来たときも、同じように確かめましょう。
| 確かめること | 見る場所 | 見方 |
|---|---|---|
| 紹介の許可があるか | 人材サービス総合サイトの許可・受理番号 | 運営会社の名前と許可番号で探しても出てこない会社には、登録しない |
| 1年間に紹介で就職した人の数 | 同じサイトの就職者(4か月以上の有期と無期の列) | 出てきた事業所がどれも0人か、どれにも数字が入っていなければ(表の下の段落)、候補から外す |
| 無期雇用で就職した人のうち、6か月以内に辞めた人の数 | 同じサイトの離職者数(無期雇用のうち就職後6か月以内) | 2つの候補で、就職者の「うち無期」の数と並べて比べる |
| 自分の職種を扱っているか | 紹介会社の登録の画面や面談で示される、扱う職種の範囲 | 応募したい職種が入っていない会社は外す |
就職した人の数は、年度(4月〜翌年3月)が終わったあとの4月に、紹介会社が人材サービス総合サイトに入れることになっています※5。見るのは、入れる期限の4月が過ぎた年度のうち、いちばん新しい年度です(2026年5月〜2027年4月に見るなら2025年度)。この年度の就職した人の数が、出てきた事業所のどれにも入っていない会社は、いちばん新しい実績を確かめられないので、候補から外しましょう(編集部の見方)。許可を受けてまもない会社などでは、数字がまだ1つも載っていないことがあり、こうした会社も外れます。
6か月以内に辞めた人の数は、期間の定めのない雇用で就職した人のうち、解雇以外の理由で辞めた人の数です。年度が終わったあとの10〜12月に載るので、4〜12月は、いちばん新しく終わった年度の数がまだ入っていないか、入れている途中のことがあります。4〜12月に見るときは、いちばん新しく終わった年度の1つ前の年度(2026年11月に見るなら2024年度)の「うち無期」の数と、辞めた人の数で比べてください。
事業所の「詳細情報」の画面には、辞めたかどうか分からない人の数(離職が判明せず)も載っています。この数が多い会社は、辞めた人の数が少なめに出ていることがあります。
2社は、次のように分けて選びましょう。
- 1社は、扱う職種の範囲が広い会社。求人の数と幅を見る
- もう1社は、扱う職種が自分の職種に絞られている会社。その職種の年収の相場と、選考の中身を聞く
- 2社の面談では同じことを聞き、答えを比べる
2社でなくてよい人もいます。
- 応募したい会社が決まっている人:その会社の採用ページから直接応募しましょう。転職エージェントに登録しなくても応募できます。
- 専門の職種や、求人の少ない地域で探す人:2社の紹介が少なければ、3社目を足しましょう。足すときも、扱う職種の範囲に自分の職種が入っているかを確かめてください。
- まだ転職すると決めていない人:1社の面談で、年収の相場と求人の幅を聞くところから始めましょう。
2社を併用するときは、1つの会社には1つの窓口から応募する
2社を使っていることは、隠さず伝えてかまいません。面談でほかの会社の利用を聞かれたら、次のように答えましょう。
ほかに1社、転職エージェントに登録しています。同じ会社に重ねて応募しないよう、応募を決める前に、ほかで応募済みかどうかをお伝えします。
気をつけるのは、同じ会社に2つの窓口から応募することです。紹介会社は、原則として、求職者から手数料を取ってはならず※6、手数料は採用した会社が払います。厚生労働省の集計では、常用の就職1件あたりの手数料は、平均で約103万円でした※7。
同じ人の応募が2つの紹介会社から届くと、応募先の会社は、どちらの紹介として扱い、どちらに手数料を払うかを決めることになります。扱いは会社と紹介会社の契約で決まり、外からは分からないので、選考が止まることもあります(編集部の見方)。
求人サイトや会社の採用ページから自分で応募した会社に、あとから紹介で応募するのも同じです。応募した会社と、どこから応募したか(直接・1社目・2社目)、応募した日を、1枚のメモにまとめておきましょう。2社から同じ求人を紹介されたら、どちらか1社から応募し、もう1社の担当には「この求人は、ほかから応募します」と伝えてください。
登録したことが、もう一方の紹介会社に知られるかを心配する人もいます。紹介会社には、仕事で知った個人の情報を、みだりに他人に知らせてはならない決まりがあります※8。重なりが分かるのは、多くは応募先の会社で、同じ人の応募が2つの窓口から届いたときです(編集部の見方)。
担当と話がかみ合わないときは、その会社の問い合わせ窓口に担当の変更を頼むか、もう1社に絞りましょう。使わなくなった会社には、登録の解除を頼んでください。
2社に登録した営業職の場面で考える(例)
以下は、想定の例です。
例:28歳・法人営業。2026年11月に転職サイトに登録したら、知らない紹介会社3社から連絡が届いた。人材サービス総合サイトと各社の扱う職種の範囲を調べると、1社は2025年度に就職した人が0人で、1社は扱う職種に営業が無かった。
→ この人は、自分で選んだ、扱う職種の範囲が広い会社1社と、連絡が来た3社のうち営業を扱い、2025年度に就職した人がいた1社の、2社に登録します。2社の面談では同じことを聞き、年収の見立ての違いを比べます。2社から同じ会社の求人を紹介されたときは、応募先のメモを見て、まだどこからも応募していないことを確かめてから、1社からだけ応募します。
次の一歩は、登録する前に2社の実績をメモすること
今週のうちに、登録を考えている転職エージェントの運営会社の名前で人材サービス総合サイトを検索し、就職した人の数、そのうち無期雇用で就職した人の数、6か月以内に辞めた人の数を、2社分メモしてください。あわせて、応募先を書き込むメモを1枚作りましょう。
2社の面談で何を聞けばいいかは、転職エージェントの面談で聞くことの質問リストを使って準備しましょう。
出典・注記(8件)
※1 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」2026年 概要の注 ↩
※2 職業安定法第32条の16第3項 ↩
※3 都道府県労働局「職業紹介事業者の皆さまへ」「職業紹介事業者の上手な探し方」 ↩
※4 職業安定法第32条の13 ↩
※5 都道府県労働局「職業紹介事業者の皆さまへ」 ↩
※6 職業安定法第32条の3 ↩
※7 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」概要 手数料収入 ↩
※8 職業安定法第51条 ↩
数字は、出典の定義(誰の数字か・いつの数字か)のまま使っています。計算した数字には「計算の例」と書いています。編集方針