転職の履歴書の書き方
職歴は何社まで書ける?国の様式例の欄で決める
先に結論
編集部が厚生労働省の履歴書様式例の図で数えると、学歴・職歴の欄は22行です。職歴は会社名と入社・退職の年月だけを書き(退職の行は「一身上の都合により退職」まで)、志望動機などは1つの欄に収まる量にとどめて、仕事の中身は職務経歴書に回しましょう。
この記事の目次
応募したい求人が見つかり、履歴書を書こうとして手が止まる。前の会社の入社と退職の年月は書けても、短く辞めた会社を書くか、志望動機にどこまで書くか、「本人希望記入欄」に何を書くかが分からない。市販の履歴書を買う前に、国が示している形を見ておきたい。
履歴書は、職務経歴書と違って、書ける量が最初から決まっています。この記事では、厚生労働省の履歴書様式例で欄の大きさを数え、迷いやすい欄に何を書くか、職務経歴書にどう回すかをまとめます。
国の履歴書様式例は、書く欄の大きさが決まっている
厚生労働省は、令和3年4月に、事業主が採用選考で使う履歴書の参考として「厚生労働省履歴書様式例」を公表しています※1。この様式例の欄を数えると、次のとおりです(行数は編集部が様式例の図で数えたものです)。
| 欄 | 大きさ |
|---|---|
| 学歴・職歴 | 22行(左の欄15行、右の欄7行) |
| 免許・資格 | 6行 |
| 志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど | 1つの欄(6行ほどの高さ) |
| 本人希望記入欄 | 4行 |
志望動機と自己PRにあたる欄は、別々ではなく、1つの欄にまとまっています。職務経歴書のように、仕事の中身を何行も書く場所は、履歴書にありません。
様式例では、性別欄は書いても書かなくてもよい欄になっています。「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4つの欄は、設けないことになりました。応募者のプライバシー性が高い情報であることが理由です※2。
様式例は参考で、企業が別の履歴書やエントリーシートを使うこともできます※2。応募先が様式を指定しているときは、その様式に従ってください。
職歴は、1社2行で書くと7〜8社入る
学歴・職歴の22行のうち、学歴は「学歴」の見出し、高校の卒業、大学などの入学と卒業で、4〜5行です。そのあとに「職歴」の見出しの行と、最後の「以上」の行が1行ずつ要ります。計算は、22行から学歴の4〜5行と、見出しと「以上」の2行を引いて、残りは15〜16行です。1社につき入社の行と退職の行(今の会社は「現在に至る」の行)の2行を書くと、7〜8社入ります(15÷2=7.5、16÷2=8)。会社名の行と事業内容の行を分けて、1社に3行使うと、5社までです(15÷3=5、16÷3=5.3)。市販の履歴書は用紙ごとに行数が違うので、使う用紙の欄を同じように数えてください。
転職した人は、前の会社を短い期間で辞めた人が少なくありません。厚生労働省の調査では、転職者に直前の勤め先の通算勤務期間を聞くと、6か月未満が8.2%、6か月以上1年未満が10.8%、1年以上2年未満が13.8%で、合わせて32.8%が2年未満でした。25〜29歳に限ると、2年未満は35.9%です※3。
つまり、転職者の3人に1人ほどは、直前の会社に2年たたずに移っています。このような転職を重ねた人は、職歴の社数がすぐに増えます。だから、履歴書には、会社名・入社・退職だけを1社2行で書き、仕事の中身は職務経歴書に回すと決めておくと、欄が足りなくなりません。
迷う欄は、履歴書と職務経歴書で書くことを分ける
履歴書で迷いやすい欄を、様式例の欄の順に並べました。「職務経歴書に回すこと」の列に書いたことは、職務経歴書に書いてください(職務経歴書の書き方は、「職務経歴書に書くことがない人へ」の記事で扱っています)。
| 欄 | 履歴書に書くこと | 職務経歴書に回すこと |
|---|---|---|
| 学歴・職歴 | 会社名、入社と退職の年月。退職の行には「一身上の都合により退職」と書く(行は増えない。会社の都合のときは「会社都合により退職」) | 事業内容、担当した仕事、実績 |
| 免許・資格 | 正式な名称と、取得した年月 | 仕事でどう使ったか |
| 志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど | 応募先を選んだ理由を1つと、その理由に合う経験を1つ。3〜4行 | 経験の詳しい中身、数字 |
| 本人希望記入欄 | 特に希望がなければ「貴社の規定に従います」。入社できる時期など、先に伝えておきたい条件だけ | 書かない |
本人希望記入欄は、様式例では「特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入」とされています。希望を書くと、応募先が入社の条件として読むことがあります(編集部の見方)。譲れない条件だけを書き、交渉したい給与の希望は、面接や、転職エージェントを使うときは担当者に伝えましょう。
志望の動機の欄は、厚生労働省の様式例では「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」をまとめて書く欄で、項目ごとに分けて埋める決まりはありません。応募先を選んだ理由に、その理由に合う経験を1つ添えるだけで、欄の半分ほどが埋まります。残りの余白は、無理に埋めなくてかまいません。
職歴の行では、会社名を「株式会社」も含めて省かずに書いてください。会社の名前が途中で変わっているときは、応募先が確かめられるように、変更が分かる書き方にしてください。
この表どおりにしないほうがよい場合
この表は、応募先が国の様式例に近い履歴書を使うときの書き分けです。次の場合は、応募先の指示を先に見てください。
- 応募先が指定した様式があるとき:様式例と欄が違うことがあります。その様式の欄に従い、欄にない項目を足して書かないでください。
- 応募先が「履歴書は不要」としているとき:職務経歴書だけで受け付ける求人もあります。履歴書の項目は、応募の入力フォームに入れる形になることがあるので、同じ内容を手元にまとめておけば足ります。
- 職歴が7〜8社を超えるとき:欄に書き切れないなら、応募先の様式や、2枚目に続けられるかを確かめてください。短い期間で辞めた会社だけを省くと、その期間が空白に見えるうえ、職歴を偽ったと受け取られるおそれがあります(編集部の見方)。省かずに書き、書き切れない分は職務経歴書にまとめて書きましょう。
性別欄や、様式例にない欄が応募先の用紙にあるときは、書かなくてよいかを応募先に確かめてかまいません。様式例では、性別欄は任意で、未記載にもできると示されています※4。
例:4社を経験した28歳の学歴・職歴の欄と、次の一歩
以下は、欄の使い方を見せるための想定の例です。
28歳。大学を卒業してから4社で働いた。1社目と2社目は1年ほどで辞め、3社目は3年勤めて、今は4社目に勤めながら、5社目に応募する。 学歴は「学歴」の見出しと、高校卒業、大学入学、大学卒業の4行です。職歴は、見出しの1行に、4社分の入社の行と退職の行(今の会社は「現在に至る」)の8行を書いて、最後に「以上」の1行を入れると、合わせて14行になります。22行の欄に収まり、8行が余ります。 → この人は、短く辞めた1社目と2社目も、会社名と入社・退職の年月を書きます。退職の行は「一身上の都合により退職」にし、なぜ短かったかは、面接で聞かれたときに答えます。事業内容や担当は、職務経歴書に書きます。
次の一歩は、欄の数を数えてから書き始めることです。
下書きの用紙に、学歴・職歴の欄だけを書き写し、会社名・入社・退職の年月を、書ける範囲で先に並べてください。使う用紙の学歴・職歴の欄に収まるかが分かれば、書き切れない分を職務経歴書に回す段取りが決まります。
仕事の中身の書き方で手が止まるときは、職務経歴書に書くことがない人への記入表を使いましょう。
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