通勤がつらくて辞めたいとき
辞める前に社内で確かめる3つのポイント
先に結論
通勤のつらさに慣れても、通勤にかかる時間は戻りません。まず社内の制度で通勤の負担を減らせるかを確かめ、減らせないと分かったら、通勤時間を次の会社選びの条件に入れましょう。
この記事の目次
毎朝の満員電車で、会社に着く前にもう疲れ切っている。仕事そのものは嫌いではないのに、通勤のことを考えるだけで「辞めたい」と思ってしまう。
そう感じるのは、あなたが我慢の足りない人だからではありません。通勤は毎日くり返す負担なので、仕事への気持ちまで削られていくように感じることもあります。
この記事では、辞める前に、社内の制度で通勤の負担を減らせるかを確かめる方法をまとめます。
片道1時間の通勤は、1年で480時間になる
通勤にかかる時間を、1年分で計算してみます。
片道1時間なら、往復で2時間です。月20日出勤すると月40時間、1年で480時間になります(計算の例)。
480時間を1日8時間の勤務に直すと、60日分です。月20日出勤なら、3カ月分の勤務日と同じ時間を、電車の中で過ごしている計算になります(計算の例)。
満員電車に体が慣れることはあっても、通勤にかかる時間は1分も減りません。「そのうち慣れる」と待つより先に、時間そのものを減らせるかを確かめましょう。
通勤時間が短くなるかは、働く場所か住む場所を変えられるかで決まる
上司や給与への不満なら、上司が異動したり、評価の仕組みが変わったりすれば、社内で解消することがあります。通勤は違います。上司が異動しても、会社の業績が上がっても、家から職場までの距離は変わりません。
通勤時間を大きく短くできるのは、あなたが「どこで働くか」か「どこに住むか」を選び直せたときです。社内の制度でいえば、次の3つがその手段になります。
- 在宅勤務:自宅を働く場所にする
- 勤務地が変わる異動:通いやすい拠点に移る
- 転居の支援:職場の近くに住む
時差出勤は、距離を変えません。ただ、混む時間帯を外せるので、同じ1時間でも疲れ方が変わることがあります。距離を変えられないときに、つらさを軽くする手段です。
在宅勤務も異動もできず、転居もできないなら、社内で通勤時間を短くするのは難しくなります。辞めたい理由が通勤なら、分かれ目は「社内の制度で、働く場所か住む場所を変えられるか」です。
辞める前に、社内で確かめる3つのポイント
社内で確かめることは、次の表のとおりです。
| 確かめること | 確かめ方 | 負担を減らせる見込みがあるサイン |
|---|---|---|
| 在宅勤務・時差出勤の制度があり、自分の部署で使えるか | 就業規則や社内ポータルを見る。同じ部署で使っている人に聞く | 制度があり、自分の部署でも実際に使っている人がいる |
| 勤務地が変わる異動ができるか | 異動の希望を出す制度(自己申告や社内公募)と、次に希望を出せる時期を調べる。実際に異動できる見込みは人事面談で聞く | 通いやすい拠点に自分の職種の仕事があり、半年以内(編集部の目安)に希望を出せる。同じ職種でその拠点に異動した人がいる |
| 転居の支援があるか | 住宅手当、社宅、引っ越し費用の補助の規程を見る | 職場の近くに住む人が使える手当や社宅がある |
制度があっても、部署や職種によっては使われていないことがあります。規程を読むだけで終わらせず、同じ部署で実際に使っている人がいるかまで確かめてください。
上司や人事に聞くときは、「通勤がつらい」とだけ伝えるより、「在宅勤務を週に何日使えますか」「〇〇の拠点への異動を希望できますか」と、制度の名前を出して聞きましょう。そのほうが、使えるかどうかの答えが具体的に返ってきます。
使える制度が1つでも見つかったら、期限を決めて試してください。在宅勤務や時差出勤なら、使い始めてから3カ月(編集部の目安)で、通勤の負担が減ったかを判断してください。
異動は、希望を出せる時期と、実際に異動できる時期が違います。希望を出したら、いつごろ異動できる見込みかを人事面談で聞き、その時期を期限にしてください。
どの制度も使えないとき、または試しても期限までに通勤の負担が減らなかったときは、勤務時間や通勤経路を変えられないかも一度確かめてください。それでも負担を減らす方法がなければ、社内で通勤の負担を減らすのは難しいと考え、通勤時間を次の会社選びの条件に入れましょう。
条件に入れるときは、求人を見る前に「片道何分までなら通えるか」の上限を決めておいてください。上限を決めないまま求人を見ると、仕事内容や年収に目が行き、同じ通勤の悩みをくり返すことがあります。求人票では、勤務地に加えて、在宅勤務を実際に使えるかと、転勤があるかも確かめましょう。
想定の例で考える
以下は、判断の流れを見せるための想定の例です。
例:28歳・経理。片道1時間15分、乗り換え2回の満員電車。仕事内容にも上司にも大きな不満はない。 通勤は往復2時間30分で、月20日出勤すると月50時間、1年で600時間になる(計算の例)。社内で確かめると、在宅勤務の制度があり、経理部でも週2日まで使っている人がいた。通える範囲に別の拠点はなく、住宅手当もない。
計算の例:月20日の勤務のうち8日(週2日を4週)を在宅勤務にすると、出社は月12日です。往復2時間30分が月12日で月30時間、1年で360時間になり、今より240時間減ります。
→ 別の拠点には移れませんが、在宅勤務で出社する日は減らせます。この人は在宅勤務を申請し、使い始めてから3カ月たっても朝の疲れが抜けなければ、通勤時間を条件に入れて転職活動を始めます。
次の一歩は、在宅勤務の規程を開くこと
次の一歩は1つです。今週のうちに、就業規則か社内ポータルで在宅勤務と時差出勤の規程を開き、自分の部署が対象に入っているかを確かめてください。規程で分からなければ、同じ部署で使っている人に聞きましょう。
通勤のほかにも辞めたい理由があるなら、辞めたい理由を5つの軸で整理する方法で、理由ごとに社内で解決できるかを見分けられます。